2016 Fiscal Year Annual Research Report
循環流動層を用いた省エネルギーなガス吸収分離装置の基礎研究
Project/Area Number |
15H05554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甘蔗 寂樹 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (10544083)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プロセス設計 / 流動層 / ガス分離 / 省エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素(CO2)の酸化亜鉛(ZnO)による吸収反応と逆反応である炭酸亜鉛(ZnCO3)からのCO2脱離反応実験データから流動層反応器を設計して、その反応基礎データを取得した。また、循環流動層コールドモデルを構築し、粒子循環量の計測と反応器の配置及び層高の変更範囲の確認を行った。これらのデータをプロセスシミュレータにフィードバックし、スケールアップしたプロセスの設計を行った。 1)流動層を用いた吸収・脱離反応実験 ZnOを造粒することで粒子として流動層内に供給し、原料ガスを流動化ガスとして用いて流動・反応実験を行った。その際に用いたZnO粒子のサイズを変更し、層内の流動状態や反応転化率について検討を行った。また、他の吸収材として親和力によりCO2を吸着する化学吸着材について本装置への適用可能性を検討した。本装置では吸収材を流動粒子として用いることから吸収材の形状と密度の変更が必要であることが確認された。さらには、適用可能なヒートポンプ内の作動流体について調査した。それらの作動流体を用いてヒートポンプに関するプロセスシミュレーションを行い、ヒートポンプに必要となる動力と成績係数(COP)を算出し比較検討した。 2)循環流動層コールドモデルによる循環量と装置配置の決定 実験とシミュレーションから循環流動層を設計し、粒子循環量の計測を行った。同時に、粒子循環量の操作範囲とその操作を行うためのパラメータの抽出を行った。得られた実験結果をシミュレータにフィードバックし、スケールアップした場合の装置イメージを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した研究項目については、十分な結果を得たと考えている。しかしながら、今後も新規の吸収材とヒートポンプ内の作動流体の研究開発が他の研究機関において進捗すると予想されることから、調査を継続することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後継続する吸収材探索の中で、現状用いている酸化亜鉛粒子より本プロセスに適した吸収材(粒子)が見つかった場合は、その吸収材を用いて検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)