2016 Fiscal Year Annual Research Report
環境に応じて自律的にパラメータを調整する水中音響モデムによる小型移動体通信の実現
Project/Area Number |
15H05560
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80581602)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 水中音響通信 / マルチパス / ドップラー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,水中における小型移動体通信を実現することである.水中の環境は陸上よりも遙かに過酷なため,小型移動体通信を実現するためには,マルチパス,ドップラー広がり,搭載電力の制限など,多岐に亘る課題を同時に解決する必要がある.そこで,本研究は,これまで申請者が開発・発展させてきた通信エンジンを発展させ,水中の環境に適した新しい通信エンジンを確立するとともに,運用環境の変化に応じて自律的に通信エンジンのパラメータを調整する技術を確立することを目的としている. 平成28年度は,平成27年度に確立した水中移動体用通信エンジンの性能評価を水槽実験,港湾実験により評価した.そして,通信エンジンに理想的なパラメータが与えられていれば,小型移動体通信が実現できることを実証した.この成果の一部は,海洋工学のトップジャーナルであるIEEE Journal of Oceanic Engineering誌に掲載された.また,過去のパラメータの履歴から端末間の距離を推定する自律運用機構を構築するために必要なデータ収集も,上記の実験時に,併せて実施した.しかし,港湾実験では,移動体の稼働時間が制約されていたため,自律運用機構を構築するためには,引き続き実験を繰り返して,データをさらに拡充する必要があることが明らかになった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,平成27年度に確立した水中移動体用通信エンジンの性能評価を水槽実験,港湾実験により評価した.そして,通信エンジンに理想的なパラメータが与えられていれば,小型移動体通信が実現できることを実証した.また,過去のパラメータの履歴から端末間の距離を推定する自律運用機構を構築するために必要なデータ収集も,上記の実験時に,併せて実施した.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,実験を通じて,新しい通信エンジンの有効性を評価した.今後は,当初の計画通り,港湾実験を繰り返し,実験結果を元にチューニングを繰り返すことで,水中音響モデムの完成度をさらに高めていく必要がある.
|
Research Products
(9 results)