2016 Fiscal Year Annual Research Report
パルス超音波デコンボリューション法を用いたワイドレンジ流速分布過渡流量計の開発
Project/Area Number |
15H05566
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
和田 守弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 工学計測標準研究部門, 主任研究員 (60738293)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超音波 / 流量 / ワイドレンジ / 流速分布 / 半逆位相パルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パルス超音波デコンボリューション法を用いた従来にない超音波流速分布過渡流量計の基礎システムを構築し、産業技術総合研究所の流量検定設備を用いた実流試験にて検証することを目的とし、本年度は、詳細な評価試験を行うために不可欠な、より安定した流量及び水温にて実流試験可能となる中規模流量検定設備を用いるための計測システム開発に重点を置いた。具体的な内容としては、高精度加工配管・高感度高周波数超音波センサならびに広角高周波数超音波センサを設計試作し、昨年度までに構築したハードウェア・ソフトウェアを統合したシステム開発を行い、パルス超音波送受信基礎試験を実施した。特に複数の超音波センサ小型並列化及び低ノイズ化を行うことで、パルス超音波デコンボリューション法に不可欠な微小信号完全同期受信システム構築に成功し、配管断面の広範囲に渡るパルス超音波送受信が可能であることを確認した。これにより、研究当初では困難と考えられていた詳細な評価試験が可能な中規模流量検定設備での実流試験が実施可能なところまで計測システム開発が到達した点が重要な成果である。また、従来の超音波流速分布計測法も取り入れた過渡流量計測ワイドレンジ化を発想し、超音波の特殊形状パルス適用やトレイン化による新たな流速分布計測手法を開発、流量検定設備を用いた実流試験にてそのワイドレンジ化効果を実証した。これにより、流体中に僅かな微小粒子が流れているケースなどを対象としたパルス超音波デコンボリューション法との相互補完性を拡充できた点も重要な成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた試験計画からは試験項目の順序などを変更しているものの、試験結果をフィードバックし、また研究協力者の助言を得ながら着実に計測システム開発を前進させており、詳細な評価試験を実施可能な環境整備がおおむね完了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までのところ、おおむね順調に進捗しており、引き続き研究計画に沿って研究を推進する予定です。
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Research Products
(4 results)