2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular mechanisms of the primary piRNA pathway
Project/Area Number |
15H05585
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石津 大嗣 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40574588)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | piRNA / tj / 翻訳 / RNA二次構造 / CRISPR-Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
piRNAは、相補的な配列を持つ遺伝子の発現を抑制する生殖細胞特異的な小分子RNAである。ショウジョウバエをモデルとした解析から、piRNAのほとんどはレトロトランスポゾンの発現抑制を担っているが、約20%のpiRNAは遺伝子の3'非翻訳領域に由来する標的未知のpiRNAであることがわかっている。これまでに、traffic jam(tj)と呼ばれる遺伝子の3'非翻訳領域にpiRNA生合成に必須の100塩基長のシス配列が存在することが示唆されていた。CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集法により、tjシス配列を欠失した変異体を作製した結果、下流からpiRNAが合成されなくなったことから、シス配列がpiRNA生成に必須であることを示した。しかし、このシス配列において保存性の高いモチーフ配列などは特定できず、どのような共通性を持つのかは不明だった。そこで、二次構造的な共通性があるかどうかを調べるために、selective 2'-hydroxyl acylation analyzed by primer extension (SHAPE)法を用いたRNA二次構造解析を行った。tjのシス配列に対してSHAPE法を行った結果、再現性のあるバンドパターンが観察され、特異的な構造を持つことが明らかとなった。二本鎖形成部位の塩基を変異させた配列では、piRNA生成能がなくなることから、構造的特徴がシス配列として識別されるために重要であることが示唆された。 tj mRNAの半減期を測定したところ、piRNA生合成経路を機能阻害した場合に安定化することがわかった。一方で、翻訳効率は低下しタンパク質量が減少した。このことからpiRNA生合成を制御するシス配列が、3'非翻訳領域に存在するその他の翻訳抑制に関与する領域に干渉し、翻訳効率を安定化することが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)