2015 Fiscal Year Annual Research Report
CXXCタンパク質によるエピジェネティック修飾の階層性の解明
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15H05602
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 伸介 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (50612115)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 転写制御 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
CpGアイランド (CGI) は、哺乳動物遺伝子の約80%の転写開始点前後に存在してプロモーターとして機能する。CGIがエピジェネティック修飾のプラットフォームとして機能すること、並びにCGIに確立されるエピジェネティック修飾の組合わせが転写活性を規定することが推測されているものの、エピジェネティック修飾を忠実に確立する機構および修飾確立の順番は明らかではない。本研究では、CGIを認識し、結合するCXXCドメインをもつタンパク質ファミリーがCGIのエピジェネティック修飾の確立を制御するという作業仮説をもとに、この仮説を検証し、エピジェネティック修飾の階層性を明らかにすることを目的とし研究を行った。 当該年度は、CXXC1に着目し、CXXC1のゲノム上への強制結合システムを用いて、CXXC1の結合によるH3K4me3の確立および、その後の他のエピゲネティック修飾の導入を検出した。この結果は、CXXC1によるH3K4me3導入から転写活性化に進むプロセスを示すものであると考える。この人工的システムが細胞内での現象を反映しているかどうか検証するために、Cxxc1コンディショナルノックアウトES細胞を使用し、タモキシフェン処理によりCXXC1をノックアウトし、転写への効果を解析した。更にES細胞の分化系を使用し、新生の転写誘導への効果の検証も同時に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CXXC1に着目し、H3K4me3と転写活性化の詳細な解析を行い、興味深い結果を得ており、研究成果をあげている。またCXXC2とポリコーム群の関係性とCGIの解析も始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
CGIのエピゲノム解析を様々なCXXCコンディショナルノックアウトES細胞を用いて行っていく。またテザリングシステムによるエピゲノム解析も同時並行して進める予定である。まとまった研究成果に関しては論文として出版する予定である。
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Research Products
(4 results)