2015 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄ゴムからプラスチックへの直接変換:ハイブリッド型微生物変換系の開発と高効率化
Project/Area Number |
15H05639
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
笠井 大輔 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (80452085)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 転写誘導 / オキシゲナーゼ / 天然ゴム分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリイソプレンを主成分とする天然ゴムならびに合成ゴムは、広範な分野で利用される不可欠な資源であるが、近年の世界的な経済成長に伴う急速なゴム需要の拡大が予想されている。そして将来的に増大すると考えられるゴム廃棄物は、現状では焼却や埋立てにより処理されており、温室効果ガスの増加や環境負荷が懸念されている。本研究では、増大し続けるゴム廃棄物の再資源化システムの確立を目指して、ユニークな特徴をもつゴム分解菌のゴム分解メカニズムを解明することを目的としている。 当該年度では、ゴム分解細菌E1株のゴム分解能の強化を目的として、ゴム分解関連遺伝子の同定を行った。ゴム存在下における誘導条件またはゴム非存在下での非誘導条件で培養した細胞からそれぞれ遺伝子転写産物を調製し、DNAシークエンサーを用いたRNAシークエンス解析により遺伝子の転写量を網羅的に定量することで発現量が増大した遺伝子を探索した。その結果、ゴム生育時において特異的に転写誘導される121個の遺伝子を特定した。その中には、ゴムの初発分解に関与する細胞外オキシゲナーゼ遺伝子や、細胞内でのゴム代謝に関わると考えられていたベータ酸化経路に含まれる酵素遺伝子が含まれており、転写誘導性の観点からこれら遺伝子がE1株のゴム分解に関与することが強く示唆された。現在、ゴム分解能を向上させるため、各遺伝子の発現量増加を目指して各遺伝子プロモーター配列の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の大局的観点から見ると概ね順調に進展している。当該年度では、ゴム分解細菌の分解能向上を目指して、ゴム分解に関わる遺伝子を網羅的に探索した。RNAシークエンス解析を行い、特異的に転写誘導される遺伝子の特定に成功し、次年度以降の発現量向上に向けた基礎的知見が得られた点で概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、別のゴム分解特性を持つゴム分解細菌の分解関連酵素遺伝子を特定するために、同様の網羅的探索を行う予定である。さらに特定した遺伝子の発現量向上に向けたプロモーター配列の解析や改変について進める予定である。
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[Journal Article] γ-Resorcylate catabolic-pathway genes in the soil actinomycete Rhodococcus jostii RHA12015
Author(s)
Kasai, D., Araki, N., Motoi, K., Yoshikawa, S., Iino, T., Imai, S., Masai, E., Fukuda, M.
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Journal Title
Appl. Environ. Microbiol.
Volume: 81
Pages: 7656-7665
DOI
Peer Reviewed
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