2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of regulation of the biological systems by novel calcium signal transducers
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15H05653
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 一男 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00436643)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 免疫 / 造血 / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ca2+シグナルは骨や免疫系を含む多くの生体システムの維持に関わる。本課題ではEF-hand proteinの一つEfpと、その相同遺伝子EfpLGに焦点を当て、他臓器を制御する新たなCa2+シグナルトランデューサーとしての生体制御機能の解明を目指す。
1.Efpによる赤芽球分化の制御機構解析: 造血細胞特異的Efp遺伝子欠損マウスと野生型コントロールマウス由来の赤芽球前駆細胞を用いて、網羅的トランスクリプトーム解析を実施した。Efp遺伝子欠損により生ずる遺伝子発現異常のデータを元にパスウェイ解析を行い、Efpが制御する赤芽球分化制御に関わるシグナル経路を明らかにした。さらに、Efp-FLAGノックインマウス由来の細胞を用いて、抗FLAG抗体による免疫沈降実験を行い、沈降物をABSCIEX社 四重極飛行時間型質量分析装置TripleTOF用いて同定し、Efpの結合因子の探索を行った。結合因子候補に関しては、in vitro過剰発現実験や特異的阻害剤を用いた実験により、Efp制御機構を検証した。 2. Efpは腸管上皮でも高く発現しており、またEfp相同遺伝子であるEfpLGも同様に腸管上皮での発現が高いため、腸管上皮細胞特異的Efp欠損マウス、ならびに腸管上皮細胞特異的Efp欠損、EfpLG欠損の二重欠損マウスを作製した。EfpLG単独欠損マウス、および腸管上皮細胞特異的Efp欠損マウスは特に表現型が認められず、DSS誘導性腸炎モデルに対しても野生型と同様の発症率・病態進行が認められた。しかしながら、腸管上皮細胞特異的Efp欠損、EfpLG欠損の二重欠損マウスでは腸管、特に盲腸構造の劇的な異常を呈し、若齢での死亡率が有意に高いことが判明した。以上より、腸管上皮ではEfp及びEfpLGが協調的に働き、腸管の恒常性維持に必須の役割を担っていることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
日本骨代謝学会 2017年度研究奨励賞 受賞
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