2015 Fiscal Year Annual Research Report
カフェ型ヘルスコミュニケーションを用いた地域住民協働による健康教育プログラム開発
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15H05658
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
孫 大輔 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40637039)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アクションリサーチ / CBPR / エスノグラフィー / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 背景と目的 本研究は、急速に高齢化が進む日本の諸地域において、医療系専門職主導ではなく地域住民が主体となり、地域の健康課題に対して健康づくり活動・健康教育を進めるためのモデルをアクションリサーチによって開発することを目的とする。 2. 方法 予備研究として住民主体の地域づくり・健康づくり活動が盛んな島根県雲南市A地区において2015年10月から2016年3月の期間で、エスノグラフィーを実施した。本研究として、2015年11月より東京都台東区・文京区を中心とする地域(谷中・根津・千駄木エリアなど)をフィールドとして、住民参加型アクションリサーチ(Community-based Participatory Research: CBPR)の枠組みで、地域の健康課題を同定しつつ、住民とともに課題解決に向けたアクションを行っている。 3. 現在までの結果 予備研究:島根県雲南市A地区におけるエスノグラフィー(参与観察およびインタビュー)から「カジュアルな関係性」「主体性」などのキー概念が抽出された。本研究:東京都台東区・文京区(谷中・根津・千駄木エリア)におけるフィールドワークから、この地域のソーシャル・キャピタルとして、銭湯、お寺、縁日、芸工展、ヒマラヤ杉、などが同定された。またインタビューの分析から「地域の場を守る」「地域の生態系」「多様性を受け入れる場」「危機感・使命感」「小さなチャレンジ」などの概念が抽出された。地域における多様な機能をもった交流の場が、人々に活力と主体性を与え、それらが失われることの危機感から住民活動が始まるというプロセスが考えられた。今後は、この地域の課題にフォーカスをあて、アクションリサーチを進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とモデル地域や具体的な研究の方法論は異なってきているが、初年度に予定していた地域における住民活動のプロセス分析と地域の課題分析はおおむね終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
住民参加型アクションリサーチ(CBPR)の枠組みに基づいて、地域の課題にフォーカスをあて、課題解決につながるようなアクションを関連団体とともに進める。また、その前後でフォーカス・グループや質問紙による評価を実施し、アクションの効果を評価する。
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