2015 Fiscal Year Annual Research Report
最先端スキャニング照射法の陽子線治療の生物学的基礎解明による、臨床応用の構築
Project/Area Number |
15H05675
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岩田 宏満 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40611588)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 陽子線治療 / スポットスキャニング / 放射線生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.スポットスキャニング照射法とパッシブ照射法の陽子線治療のDistal end の生物効果をEMT6細胞を使用して測定したところ、両者とも、物理線量と比較して生物効果が高いことがわかり、またスポットスキャニング照射では、パッシブ照射より、生物効果が高い傾向がみられた。 2.陽子線治療の酸素効果比をEMT6細胞等において測定したところ、X線治療と比較して明らかに低いことがわかった、しかし炭素イオン線ほどはひくくはない。そのため、陽子線治療は、X線治療では効果の低い、抵抗性腫瘍に対して、より効果が高い可能性があり、分割照射による再酸素化などのメリットも考えられるため、炭素イオン線のような極端な寡分割照射は望ましくなく、中分割程度の照射法などがメリットのある可能性が示唆された。 3.DMSOを用いて、陽子線治療の殺細胞効果としての直接効果を測定したところ、X線治療より高いことがわかった。酸素効果比が低いことの一因であることが予想された。 4.連携研究機関と共同で、生物効果などが判明している細胞へ、Cell cycleを可視化するために、細胞周期モニタリング(Fucci)の安定発現細胞株を作成中である。 5.タイムラプスイメージング機器を導入し、予備実験として、陽子線の殺細胞効果を可視化し、また低酸素イメージングを使用して、多数の培養細胞のspheroid形成における細胞集合体の形成の違いを可視化した。また抗がん剤と照射の併用研究にむけてのアポトーシス活性などの基礎検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、1、2、3の基礎検討に関しては、論文化を行い、Int J Radiat Oncol Biol Phys.に採択がされ、今後掲載予定である。また細胞周期をタイムラプスイメージングで可視化、検討するための細胞の安定発現細胞株は、他の連携研究機関と共同で作成中である。今年度以降の研究のための、化学療法の増感効果や酸素効果比などの基礎検討のデータ収集がすんだため、今後の発展研究として、spheroidを使用したり、抗がん剤の試適条件などを使用して、増感効果などの検討も予定通り行える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画書の通り、以下の研究を行っていく予定である。 1. 陽子線の生物効果などをsingle cellから、より人体に近い、spheroidを使用した発展型の検討を行う。 2. ギメラシルなどを使用した増感効果・殺細胞効果などを、タイムラプスイメージング技術などを使用して、検討していく。 3. Fucciを導入した培養細胞における、陽子線の細胞周期にあたえる影響を検討していく。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Spot Scanning and Passive Scattering Proton Therapy: Relative Biological Effectiveness and Oxygen Enhancement Ratio in Cultured Cells2016
Author(s)
Hiromitsu Iwata, Hiroyuki Ogino, Shingo Hashimoto, Maho Yamada, Hiroki Shibata, Keisuke Yasui, Toshiyuki Toshito, Chihiro Omachi, Kotoha Tatekawa, Yoshihiko Manabe, Jun-etsu Mizoe, Yuta Shibamoto
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Journal Title
International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics
Volume: 95
Pages: 95-102
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Tumor regression curve after concurrent chemo-proton therapy for unresectable stage III non-small cell lung cancer2015
Author(s)
Hiromitsu Iwata, Hiroyuki Ogino1, Kenshi Akita, Yusuke Yamaba, Yukiko Hattori, Shingo Hashimoto, Katsushi Nakamae, Maho Yamada, Fumiya Baba, Yuta Shibamoto, Jun-etsu Mizoe
Organizer
日本放射線腫瘍学会第28回学術大会
Place of Presentation
ベイシア文化ホール(群馬県、前橋市)
Year and Date
2015-11-19 – 2015-11-21
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[Presentation] Oxygen enhancement ratios of proton and photon beams: comparison under identical biological conditions using clinically used machines,2015
Author(s)
Hiromitsu Iwata, Hiroyuki Ogino, Shingo Hashimoto, Maho Yamada, Hiroki Shibata, Keisuke Yasui, Toshiyuki Toshito, Chihiro Omachi, Kotoha Tatekawa, Yoshihiko Manabe, Jun-etsu Mizoe, Yuta Shibamoto
Organizer
15th International Congress of Radiation Research
Place of Presentation
京都国際会議場(京都府、京都市左京区)
Year and Date
2015-05-25 – 2015-05-29
Int'l Joint Research
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