2017 Fiscal Year Annual Research Report
Formation of Self-Aligned Super-Atom-like Si-Ge based Quantum Dots and Characterization of Their Optical and Electrical Properties
Project/Area Number |
15H05762
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮崎 誠一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70190759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧原 克典 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90553561)
大田 晃生 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10553620)
|
Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2019-03-31
|
Keywords | Si量子ドット / スーパーアトム / LED |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、p-Si(100)基板上に高密度GeコアSi量子ドット3層積層構造を形成し、ハロゲンランプ照射下において、矩形波電圧(500kHz, duty ratio:50%)を印加し、室温でエレクトロルミネッセンス(EL)特性を評価した。 形成したGeコアSi量子ドット3層積層構造からは、0.65~0.87eVにブロードなPLスペクトルが認められ、単層ドットと同様に4成分(Comp.1:~0.71, Comp.2: ~0.75eV, Comp.3:~0.79eV, Comp.4:~0.83eV)でピーク分離できる。ELスペクトルでは、電圧振幅±1.0Vで0.75eV近傍に発光ピークが認められ、電圧振幅の増大に伴いEL強度は増大し、高エネルギー側の増大がより顕著であった。また、得られたELスペクトルはPLと同様に4成分でピーク分離でき、印加電圧の増加による各成分のピークエネルギー位置の変化は認められなかった。高周波C-V測定(1MHz)を可視光照射下において行った場合、反転容量が蓄積容量まで増加することから、光照射により上部電極周辺で光生成された電子が電極下の反転層に供給され、電極周辺部がキャリアの供給源となることが確認できる。従って、これらの結果は、可視光照射下におけるGeコアSi量子ドットのELにおいては、p-Si(100)基板において光生成された電子と正孔がドットの量子準位に交互注入され、量子準位間での電子-正孔再結合に起因する発光が顕在化することで解釈できる。さらには、矩形波電圧印加において、電子注入となる負バイアス値(VN)を-4Vで一定として正バイアス値(VP)依存性を調べた結果、VNが一定の場合、0<VP<2Vでは正孔注入律速のため、VP印加時において主に発光し、VP>3Vでは、電子注入律速となるため、VN印加での発光が支配的となることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、申請者らが提案したSi-Ge 系スーパーアトム(コア/シェル量子ドット)を高密度に三次元集積構造を形成し、電流注入型発光デバイスを実証するとともに、キャリア再結合ダイナミックスを精査した。また、不純物元素を導入したコア/シェル量子ドットを形成し、電子状態および直接遷移型への価電子状態変調による高輝度発光への指針を得ていることから、おおむね順調に進展していると言える。最終年度は、これまでに得られた成果を結集し、極薄シリコン酸化膜上に二次元規則配列したドット上に自己整合的にドットを積層(縦積み)させて3 次元自己集積構造を形成することで、ドットサイズの均一化とドット間トンネル結合の強化を行い、キャリア注入効率の増加と発光波長の狭帯化を実現し、高効率発光素子の開発を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、p型Si基板上に上層のドットを下層よりも大きくした自己整合集積構造を形成し、その上に上部電極としてn型アモルファスシリコン(a-Si)を形成したダイオード構造においてEL特性を評価する。この構造では、下層ドットの量子化エネルギ(特に伝導帯)が上層ドットより大きくなるため、n型a-Siから注入した電子を上層ドットに閉じ込めることができ、a-Si-Si量子ドット間の価電子帯オフセットの存在によって、p型Si基板から注入した正孔をドット層中に閉じ込めることができる。さらには、サブミクロンライン&スペースパターンに加工したSOI基板において、Siライン側壁に自己整合集積ドットを形成する。この構造では、ライン幅を0.5μm程度に設定することで幅方向に光を閉じ込め、ライン長を制御することにより光増幅の波長選択を行う。さらには、形成した発光デバイスにおいて、Siライン長をパラメータとして、EL発光特性を評価し、ライン長に依存した光学干渉が発光効率およびスペクトル幅に及ぼす効果を評価する。
|
Research Products
(25 results)