2019 Fiscal Year Annual Research Report
摂食シグナル胆汁酸の分子栄養学的機能解析と食品成分による摂食応答制御
Project/Area Number |
15H05781
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50187259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 彰 山形大学, 農学部, 准教授 (50442934)
柴田 貴広 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (80447838)
|
Project Period (FY) |
2015-05-29 – 2020-03-31
|
Keywords | SCAP / SREBP / RNF5 / 胆汁酸 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
食事を摂取したのちに血液中の胆汁酸濃度が一過的に上昇することより、代表者らはその濃度上昇が摂食シグナルであると想定して、胆汁酸の生理機能、それを受容する受容体TGR5の機能解析を行ってきた。肝臓は胆汁酸生成の唯一の組織であり、コレステロールの異化により胆汁酸生成を行う。したがって胆汁酸の機能解析にとり、その上流領域の制御機構の理解は重要と言える。当該年度はコレステロール代謝制御の中心的役割を演じる転写因子SREBPの活性化機構について解析を進めた。SREBPと複合体を形成するSCAPについて、ユビキチン化修飾されることを先行研究で明らかにした。その修飾を担うE3 ligasseを見出す作業の過程で新たにRNF5を見出した。RNF5によるユビキチン化は予想外なことにSCAPの分解を誘導しなかった。ユビキチン化部位を探索したところ、Lys305がその部位で、ユビキチン分子のLys29を介したポリユビキチン鎖を形成した。さらにこのポリユビキチン鎖修飾は、SCAPの構造変化をもたらし、その結果、SREBP/SCAP複合体は小胞体からゴルジへと輸送され、ゴルジで切断を受けた活性型SREBPが応答遺伝子発現を亢進する新たな活性化機構を明らかにした。SCAPは別の部位でポリユビキチン鎖修飾を受けることが報告されており、それとは異なる部位、異なる機序でSCAPの機能を調節することを本研究成果により明らかにすることができた。生活習慣病ではSREBPの過剰活性化が原因となることが知られており、Lys305へのRNF5によるポリユビキチン修飾を抑制することは、発症を抑制する可能性が期待される。創薬、機能性食品創製の新たな標的となることが示唆された。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)