2015 Fiscal Year Annual Research Report
明治期国語教科書と平仮名初習者の筆写資料とを連関させた平仮名字体史研究
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15H05981
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岡田 一祐 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (80761220)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 日本語学 / 文字史 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,コーパスシステムの設計を行い,国語教科書のコーパス化を開始した。このほか,江戸期の仮名字書である『和翰名苑』の字体データベースを作成し,変体仮名を検討する際の参照点として活用できるようにした。 調査する国語教科書に関しては,諸般の事情から,東書文庫所蔵のものではなく,国立教育政策研究所所蔵のものを利用することとした。まず試行的に代表的なものを選定して,コーパス化しているところである。 『和翰名苑』の字体データベースについては,『和翰名苑』の構造が変体仮名の構造を検討するうえで参考になるところが多いために構築したものである。コーパスを作成するにあたって変体仮名の処理が問題になるが,このデータベースを参照して処理することで,その問題が低減されることが期待される。これに関しては,日本語学会2016年度春季大会で報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度においては,コーパスシステムを設計・作成したのち,国語教科書のコーパス化を重点的に行い,初習者資料に関しては概要と調査対象の選定に努めることを目標としており,概要に示したように,これらはおおむね順調に完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度においても,関係研究者や関係機関と連絡を密に取り,目標達成を目指す。27年度においては現段階における研究資料の不足の改善に取り組んでき,今後とも補ってゆくべきものと考えるが,コーパス作成にあたって,変体仮名を含むテキストを扱う都合上,作業を依頼する者がかぎられるため,安定的に確保できるように努める。
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Research Products
(2 results)