2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H06007
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉澤 忠司 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70761071)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 膵癌 / 胆管癌 / 時計遺伝子 / 癌関連線維芽細胞 / 癌微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子DEC1とDEC2は全身のあらゆる臓器で発現し、日内リズム、免疫や、癌化、低酸素応答、アポトーシス、組織分化の制御など、多彩な働きを有している。本研究では、 難治性癌の代表として知られている、膵・胆道癌の癌微小環境に及ぼす時計遺伝子の働きを解析する。すなわち、癌細胞とヒト間葉系幹細胞 (human mesenchymal stem cell; hMSC) とを共培養することで、癌間質線維化を伴う、癌微小環境形成を確認する。そして、癌細胞の増殖、浸潤に及ぼす時計遺伝子の働きを明らかにする。 今回我々は、胆管癌細胞とヒト間葉系幹細胞を共培養し、癌細胞の形態変化、免疫染色の結果において、癌細胞に上皮間葉転換が生じることを明らかにした。また、この癌微小環境下にて、癌細胞でDEC1の発現が上昇することを、RT-PCR を用いて明らかにした。これらの結果から、DEC1が癌微小環境形成において重要な役割を形成することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胆管癌細胞株 (TFK-1) とヒト骨髄由来間葉系細胞 (human mesenchymal stem cell; hMSC) との直接または、間接共培養を行い、癌細胞の形態変化、免疫染色における変化に注目した。形態学上、癌細胞が、間葉系細胞に類似した形態を示し、免疫染色においても、上皮間葉転換 (EMT) マーカーの発現が観察され、共培養下で、癌細胞にEMTが生じることを明らかにした。また、上記の癌微小環境下で、時計遺伝子 (DEC1) の発現をRT-PCRを用いて検討したところ、癌細胞において、DEC1の発現が上昇していることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
胆道癌細胞株 (TFK-1, HuCCT1等の複数の細胞株)とヒト間葉系幹細胞(human mesenchymal stem cell; hMSC)との共培養系を用いて、癌微小環境下における時計遺伝子 (DEC1, DEC2) の働きを解明する。具体的には、a)癌細胞とヒト間葉系幹細胞との共培養下において、DECのRNA干渉 (ノックダウン) による、癌細胞の増殖、浸潤能を調べる。b)同様に、共培養下にて、DECの高発現 (overexpression)による増殖、浸潤能を調べる。 そして、包括的に、癌微小環境と時計遺伝子との関連について検討する。
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Research Products
(6 results)