2016 Fiscal Year Annual Research Report
Change in Visual Representations in a Life Sciences Journal
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15H06011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有賀 雅奈 東北大学, 研究推進本部, 特任助教 (40756623)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | Representation / Scientific Visualization / Diagram / Biology / Data visualization |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、科学論文における議論の在り方がメディアや実験技術、表現技術の変化に伴いどのように変遷してきたのかを明らかにすることである。平成28年度においては、ジャーナル『CELL』のデータベースを作成した。そのうえで、5年おきに20記事を抽出し、約5800のグラフィックを対象に、前年度に先行的に構築した分類枠に従って分類を行った。分類の過程では分析枠を何度かブラッシュアップし、グラフィックの分類枠を確立した。分類枠としては、上位カテゴリーとして1)データとしてのグラフィック、2)説明としてのグラフィック、3)ハイブリットのグラフィックに分けられた。1)は機械的複製(Mechanical Reproduction)など7種類に分けられ、2)は構造図など4種類に分けられた。3)はそれらが融合するグラフィックである。 分類後、グラフィックの分類ごとの出現時期や経年変化を分析した。動向としては、ページごとのグラフィックの数は1974年と比較し、2009年には6倍に増加し、なかでも1)データとしてのグラフィックが劇的に増加していることが明らかになった。蛍光顕微鏡の普及や、数値で得られるタイプの実験技術の増加とともに表現のタイプも増加・多様化していると考えられた。2)説明としてのグラフィックについては構造図から説明図に変化していた。これは科学的な議論の対象の変化と作画ソフトウェアの普及が影響していると考えられた。 グラフィックの変化は科学者の読み取れるデータの幅を拡大し、一部の実験技術は視覚化技術の多様化・拡大を前提に発展してきた。新しい技術による美しいグラフィックはそれだけで論文のインパクトを強めている可能性もある。このように、グラフィックの動向は、科学の議論と実験技術の発展を映し出す鏡であり、科学者の認識とも関わる重要領域であると考えられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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