• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Annual Research Report

高レベル放射性廃棄物からのエネルギー創生―準国産Ru資源の開発とエネルギー利用―

Research Project

Project/Area Number 15H06031
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

伊藤 辰也  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20757653)

Project Period (FY) 2015-08-28 – 2017-03-31
Keywords廃棄物処理 / 廃棄物再資源化 / 高レベル放射性廃液 / 太陽電池
Outline of Annual Research Achievements

原子燃料サイクルから排出される高レベル放射性廃棄物に含まれている白金族元素であるRuを資源化するため、白金族元素に親和性の高い硫黄含有ジアミド誘導体の一つであるN,N,N',N',-テトラ-n-ヘキシル-3,6-ジチアオクタン-1,8-ジアミド(THDTODA)を多孔性シリカ/ポリマー複合担体粒子(SiO2-P)に含浸担持させたTHDTODA/SiO2-P吸着材を創製した。また、改質剤である1-ドデカノール(Dodec)及びトリオクチルアミン(TOA)を共に含浸させた(THDTODA+Dodec)/SiO2-P及び(THDTODA-TOA)/SiO2-Pもそれぞれ創製した。
Ru(III)の吸着特性は模擬高レベル放射性廃液(HLLW)を用いたバッチ吸着試験から検討した。Ru(III)の分配係数(Kd)は硝酸濃度の上昇と共に増加する傾向を示し、HLLWの硝酸濃度範囲(2~3 mol/L)におけるKdは(THDTODA-TOA)/SiO2-Pが最も大きく、30~40程度となった。また、これらの吸着材はPd(II)に対し極めて高い親和性を示し、Kdは1000以上となった。
Ru(III)の分離特性は(THDTODA-TOA)/SiO2-P充填カラムによる模擬HLLW(硝酸濃度2 mol/L)の分離試験から検討した。室温条件ではPd(II)が良く吸着するもののRu(III)の吸着は僅かであり、吸着速度が遅いことが原因であると考えられた。Ru(III)の吸着は吸熱反応であることからカラム温度を上昇させることで改善されると考えられる。
エネルギー抽出後の廃棄物を利用したエネルギー創出を可能とするため回収Ruを色素増感太陽電池用錯体へ転換する検討を行った。Ruの溶離液としてはチオ尿素が有効であったことから、模擬回収液を作成し、蒸発乾固を経た反応溶媒中への溶解を検討した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

高レベル放射性廃液を模擬した条件下でN,N,N',N'-テトラ-n-ヘキシル-3,6-ジチアオクタン-1,8-ジアミド(THDTODA)を含浸させた吸着材はRuに対して吸着性を示すことを明らかにした。しかし、吸着速度が遅いため、カラム法での吸着分離には不利であることが判明した。運用条件等の変更で改善が望めるものの、吸着速度の向上を図るため、新たな硫黄含有ジアミド誘導体を数種類合成し、吸着材を調製、その性能を評価する必要がある。ただし、方法自体に変更はないため、色素増感太陽電池用Ru錯体の合成及びその錯体を用いた色素増感太陽電池の性能評価と並行して進行させることが可能であると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

N,N,N',N',-テトラ-n-ヘキシル-3,6-ジチアオクタン-1,8-ジアミド(THDTODA)を含浸させた吸着材はRuに対して吸着性を示すものの、吸着速度が遅いため、カラム法での吸着分離には不利であることが判明したことから、新規多孔性シリカ担持型吸着材の創製と評価を継続して実施する。新たな硫黄含有ジアミド誘導体を数種類合成し、吸着材を調製、その性能を評価する。
色素増感太陽電池用錯体の合成では、Ruの溶離液として有望なチオ尿素水溶液中にRu(III)を溶解し、これを出発物質として合成法を開発する。まず、Ru(III)を反応溶媒中へ溶解させるため不純物及び水分の除去を行う。その後、ピリジン系配位子を加えて錯体の合成を試みる。
回収Ru錯体を用いた色素増感太陽電池の性能評価では、合成を行った錯体を用いて色素増感太陽電池セルを組み立て、I-V特性を取得し、性能を評価する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 高レベル放射性廃液中からの ルテニウムの選択的分離・回収及びその利用(1) 硫黄含有ジアミド担持吸着材による分離特性2016

    • Author(s)
      伊藤 辰也, 金 聖潤, 長野 宣道, 人見 啓太朗, 石井 慶造
    • Organizer
      日本原子力学会  2016年春の年会
    • Place of Presentation
      東北大学 川内キャンパス, 宮城県仙台市
    • Year and Date
      2016-03-26 – 2016-03-28
  • [Presentation] 硫黄含有ジアミド担持型吸着材を用いた 高レベル放射性廃液からの白金族元素の分離2015

    • Author(s)
      伊藤 辰也, 金 聖潤, 長野 宣道, 人見 啓太朗, 石井 慶造
    • Organizer
      2015年日本イオン交換学会・日本溶媒抽出学会連合年会
    • Place of Presentation
      金沢工業大学 扇が丘キャンパス, 石川県石川県野々市市
    • Year and Date
      2015-10-23 – 2015-10-24

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi