2015 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における聴取能力の育成に着目した歌唱環境の設定と支援方法の開発
Project/Area Number |
15H06084
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
三橋 さゆり 埼玉大学, 教育学部, 講師 (70758440)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 歌唱 / 聴取能力 / 環境構成 / 支援方法 / 幼児教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼児が聴覚を鋭敏にして歌うために適した歌唱形態と歌唱支援の方法を明らかすることである。保育現場では、歌唱活動が多く行われており、歌唱活動の重要性について認識されているが、どのような環境や配置で幼児が歌うと音楽的な能力が身につくのかということや、他者とコミュニケーションを円滑に取りながら歌唱できるのかについては、明らかになっていない。そのため、これらの課題について、幼稚園での歌唱活動を対象とした調査を行い、その成果に基づいて歌唱活動に適した環境構成や援助の方法を提示することは、教育的に意義があると考えられる。この目的を達成するために、初年度は幼稚園を対象に歌唱活動の観察と保育者3名へのインタビューを実施した。歌唱活動の観察では、新曲指導から発表会直前までの活動を対象として、ICレコーダーによる録音とビデオ撮影によりデータを収集した。保育者へのインタビューでは、歌唱活動における援助の意図や環境構成に対する意図、歌唱活動の意義について聞き取り調査を行い、保育者の歌唱活動に対する考え方を探った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるため、文献研究と保育現場における実態調査のデータ収集が中心となった。来年度以降に実態調査に関する成果の提示ができると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、1)保育現場における実態調査、2)理論的枠組みの構築と検証である。 1の実態調査については、昨年度の研究対象園以外の幼稚園において、歌唱活動の観察を行う。観察の観点としては、歌唱時の環境構成、特に歌唱形態及び保育者と幼児の相互行為に着目して幼児の歌唱場面を観察する。加えて、保育者へのインタビューを依頼し、保育者が考える歌唱活動の意義や歌唱活動の援助方法について探り、実態を解明していく予定である。 2の理論的枠組みの構築と検証では、1で明らかになった実態を理論的な枠組みとして構築し、歌唱活動に関する環境構成や支援方法を提示する。さらに、その枠組みに基づいて教育プログラムを作成し、その効果について検証する。
|
Research Products
(2 results)