2015 Fiscal Year Annual Research Report
A sociological study on people's understanding of forensic DNA analysis in Japan
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15H06106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 舞 東京大学, 地震研究所, 特任研究員 (70761633)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | DNA型鑑定 / 科学社会学 / 科学人類学 / 科学鑑定 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、日本におけるDNA型鑑定に関する人々の認識を明らかにするための調査を実施した。具体的には、刑事事件におけるDNA型鑑定に注目し、DNA型鑑定を実際に行う専門家、DNA型鑑定の結果を利用する警察官、裁判官、検察官、弁護士、裁判員となる可能性のある一般の人々などに焦点をあてた。 DNA型鑑定を行う専門家については、聞き取り調査、および『日本法科学技術学会誌』などの文献調査を行った。警察官については、DNA型鑑定を行う専門家からの間接的な聞き取り調査、および『警察白書』、『捜査研究』などの文献調査を行った。裁判官、検察官、弁護士については、日本弁護士連合会の主催する研究会への参加や、弁護士とのミーティングをとおした情報収集に加え、『ジュリスト』、『刑法雑誌』などの文献調査を行った。一般の人々については、『読売新聞』、『朝日新聞』、『毎日新聞』、『日本経済新聞』などの新聞記事の調査、さらに一般向け書籍の調査を行った。これらに加えて、DNA型鑑定やDNAそのものを題材とした様々な論文や書籍において、DNAやDNA型鑑定がどのように議論されたり、描かれたりしているのかを分析した。 これらの調査をとおして、DNA型鑑定に関して多様な人々がどのような認識を持っているのか、そしてその認識が時代とともにどのように変遷してきたのか、さらに刑事事件におけるDNA型鑑定の運用に関して、日本でいかなる問題が生じているのかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査の範囲を変更したために、聞き取り調査に若干の遅れが生じたものの、結果として多方面におよぶ豊富なデータを得ることができ、研究全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果を利用しながら、DNA型鑑定に関する国際比較を行い、分析結果を発表する。
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