2015 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new strategy for fracture treatment by human mature osteoblast
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15H06188
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤田 浩二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80451970)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 成熟骨芽細胞 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者の脆弱性骨折において早期の骨折癒合が得られる新規骨折治療の開発のための基盤研究である。我々は強い骨形成能を持つものの、従来抽出困難であったヒト成熟骨芽細胞の抽出に成功した。本研究ではこのヒト成熟骨芽細胞の骨形成能を評価し、骨折治療への応用を検討した。 具体的には、①ヒト骨検体から効率よく、短時間でヒト成熟骨芽細胞を抽出するプロトコルを作成すること、②ヒト成熟骨芽細胞の骨形成能を評価すること、③ヒト成熟骨芽細胞を担体に吸着させる手技を確立すること、④ヌードラット骨折モデルを用いて、ヒト成熟骨芽細胞と担体を移植する条件を最適化することを目標とし、本年度は①、②、③について検討を行った。 その結果、①コラゲナーゼの種類と処理時間、温度の条件を改良することにより、より短時間でより多くの細胞数のヒト成熟骨芽細胞抽出が可能となった。続いて、②40のヒト骨検体からヒト成熟骨芽細胞を採取し、その骨形成能をマイクロアレイ、リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析、培養実験により検証した。その結果、この細胞の骨形成能は、ドナーの年齢や性別は骨形成能に影響しないことが示唆された。現在さらなる解析を行っている。さらに、③過去の報告をもとに、市販人工骨にヒト成熟骨芽細胞を吸着する手技を評価し、今後の実験で使用する方法を確立した。 今回の検討により、ヒト成熟骨芽細胞の骨形成能は非常に高く、骨折治療のソースとして有用である可能性が確認できた。今後、ラット骨折モデルでの検討を経て、臨床現場への応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト骨検体採取条件の決定に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ヌードラット骨折モデルへの移植実験を行い、ヒト成熟骨芽細胞が骨折治療に使用できるほどの骨形成能を持ち、従来の骨折手術法より優れた骨折治癒が期待できることを示していく予定である。
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Research Products
(1 results)