2015 Fiscal Year Annual Research Report
The History of the Japanese Record Industry
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15H06217
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
大久保 いづみ 一橋大学, 大学院商学研究科, 特任助教 (90754804)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 経営学 / 日本経営史 / 音楽産業 / レコード産業 / 製造業 / 技術導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本のレコード産業について、製造業の観点から捉えなおし、その歴史的発展経緯を明らかにすることである。一般的には、レコード産業をソフト産業として捉える見方が浸透している。しかしながら、各時代の主要企業の属性とその競争上の焦点を歴史的に見ると、レコード産業は技術戦略を重視する製造業としての側面が際立つ。産業創始期以降レコード産業においては、音楽ソフトの内容というソフト面の拡充のみならず、音質の向上やメディア(SP・LPレコード、音楽テープ、CD等)の発展といった技術面における進歩が市場から求められており、双方がレコード産業にとって付加価値の源泉となった。本研究では、以下の2点に留意しながらレコード産業の発展経緯を明らかにすることを課題とした:(1)同産業の製造業としての特質と企業の技術力の進展に注目する、(2)レコードの付加価値と市場との相互関係に注目する。 研究課題の進捗状況は、おおむね順調に進展している。平成27年度は、主として資料収集と文献調査を重点的に行った。具体的には、『レコード目録』『工場統計表』『貿易年表』、各種雑誌・新聞記事、業界紙、広告資料等を収集した。さらにデータ入力・データ構築、ヒアリング等を行った。次年度の論文執筆へ向けて、これらの史料に基づいて草案を作成した。また、当該研究に関連する研究会や学会に参加し、研究上重要な知見を得ることができた。資料収集・調査に関しては、平成27年度に計画していた予定について順調に終えるとともに、当初の計画よりさらに資料収集・調査対象を追加しサーベイを行う方針を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、主として資料収集と文献調査を重点的に行い、データ入力・データ構築作業、ヒアリング等も並行して行った。また、論文の草案作成、先行研究の文献サーベイも行った。平成27年度に計画していた作業内容について、順調に終えることができた点で、おおむね順調に進展していると考えられる。また、当初の計画からさらに資料収集・調査対象を追加し、次年度にそのサーベイを行うこととした。さらに、当該研究に関連する研究会や学会に参加し、研究上の重要な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度に行った資料収集と文献調査を元に分析を進め、研究の取りまとめを行う予定である。具体的には、論文の執筆と学術誌への投稿に注力する。 ○平成27年度に追加した資料収集・調査について、平成28年7月までに完了させる。 ○平成28年8月以降は、論文執筆に注力し、順次平成29年3月までに学術誌への投稿を行う。
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Research Products
(3 results)