2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of acid-base regulation of the cochlea toward overcoming of the inner ear disease
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15H06224
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
樋口 大河 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60757532)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 内耳 / 血管条 / pH制御性タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚を感知する内耳蝸牛は、細胞外液であるにもかかわらず150 mMの高カリウム濃度と+80 mVの高電位を示す体液「内リンパ液」で満たされる。この特殊なイオン・電位環境は聴覚に必須であり、その破綻は難聴を誘引する。内リンパ液環境は、結合組織であるらせん靭帯と上皮組織である血管条のイオン動態により維持される。このイオン動態には種々の輸送分子が関わるが、Na+,K+-ATPaseが主体であるため、莫大な酸素が消費され、発生するCO2に基づいた多量の呼吸酸(H+)が生じる。一般に多くのタンパク質活性を修飾しうるH+の濃度制御は、蝸牛の上皮組織の恒常化や正常なK+輸送の維持に不可欠であると予想される。したがって、本研究では内耳の上皮組織におけるpH制御系の解明を目的とした。 器官機能を反映する内リンパ液の酸塩基平衡の系統的な理解には、それが積み重なった組織・器官レベルでのpH制御システムの理解を統合的に行う必要がある。そこで、本年度は、すでに確立された生きたモルモットの内リンパ液電位とK+濃度を同時測定する技術を応用・改良し、生後20日のマウスの内リンパ液電位とpHをin vivoにて同時測定した。結果、内リンパ液電位は+86.6 ± 5.1 mVであり、聴覚に重要な正の高電位を示した。この時、外リンパ液pHは7.37 ± 0.03、内リンパ液pHは7.55 ± 0.02であり、内リンパ液pHは外リンパ液pHよりアルカリ化していることを見出した。今後、初年度に見出した内リンパ液pH制御候補分子の阻害剤の効果をin vivoで検討し、更に内耳上皮組織の酸塩基平衡系の理解に繋げたい。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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