2015 Fiscal Year Annual Research Report
微小管形成中心のダイナミクス制御機構とその生理的役割の解明
Project/Area Number |
15H06270
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 定則 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00754417)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
微小管形成中心のダイナミクスを制御するメカニズムを調べるため、微小管形成中心が多く存在するマウス発生初期の細胞分裂に着目した。 まず、GFP-tubulinレポーターマウスの初期胚を微小管重合阻害及び低温処理することで、細胞分裂が同調した形で微小管が再重合しスピンドル構築を誘導し観察できる「同調初期胚スピンドル微小管再重合アッセイ」を確立した。これをスピニングディスク共焦点顕微鏡で三次元観察することにより、初期胚の様々な位置にある細胞の分裂期のスピンドル動態を一挙に観察し定量的解析を行うことが可能になった。既に樹立していたオーグミン欠損(Haus6 KO)マウスや各種阻害薬をこのアッセイに供することで、オーグミンがマウス初期胚スピンドルの微小管生成に及び微小管形成中心のクラスター化に重要であること、スピンドルが二極化する途中にできる中間体の複数の「ミニスピンドル」がキネシンEg5のモーター活性を介して集極化することが明らかになった。 さらに、PLK4を強制発現し微小管形成中心(中心小体/中心体)を増幅した培養細胞を用いて上記と同様のアッセイを行うことにより、癌や肝臓の細胞を模倣する微小管形成中心の増幅した状況でも、オーグミンを介するスピンドル内微小管生成及びEg5が微小管形成中心の集極化に重要なことが示唆された。これらをまとめ論文として発表した。 また、Haus6ターゲットマウスとCAG-FLPeマウスを交配することで、オーグミン(Haus6)の条件欠損マウスを構築した。HAUS6条件欠損マウス(Haus6 Flox)が、見かけ上正常に生育し妊孕性を確認したため、これらをリソースとして登録した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微小管形成中心のダイナミクスを制御する機構を解明するためのマウス胚の微小管イメージングアッセイの構築を行ったこと、また上述ダイナミクス制御の重要因子の一つとしてオーグミン複合体による初期発生及び中心体増幅細胞の細胞分裂時の微小管形成中心の動態解明を行い、これらを筆頭・責任著者論文として発表できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
微小管形成中心のダイナミクスにとどまらず、それが生成される過程やサイズ・位置制御について、またそれ自身が微小管生成能を制御するメカニズムの解明も行っていく。これに関し、専門家を複数有するUCSDの研究室にて引き続き研究を遂行する。生理的意義に関しても、共同研究をスタートさせており、更なる研究の発展を推し進める予定である。
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