2015 Fiscal Year Annual Research Report
初期化技術を用いたヒト着床前胚体外組織の誘導およびヒト初期発生の解析
Project/Area Number |
15H06329
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高島 康弘 京都大学, iPS細胞研究所, 講師 (70469930)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
|
Keywords | ヒトナイーブ型多能性幹細胞 / iPS細胞 / ヒト初期発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)はマウスに比べ、発生が進んでしまっており、プライム型と呼ばれる。一方、ナイーブ型iPS細胞は着床前胚の時期の細胞であると考えられており、着床前胚の初期発生を解析する有用な細胞と考えられる。我々は、プライム型ES/iPS細胞をリセットし、ヒトナイーブ型iPS細胞を樹立することに成功した。本研究では、このナイーブ型iPS細胞を用いて、後期ブラストシストを構成するエピブラスト、原始内胚葉と栄養外胚葉という三種の細胞を試験管内で誘導、樹立することを目的として、研究を行った。 ヒトナイーブ型iPS細胞およびプライム型iPS細胞に、原始内胚葉への分化に重要とされるSOX17を過剰発現させ、血清にLIFを加えた原始内胚葉培地で培養した。ナイーブ型iPS細胞からは、丸く小さな形態の細胞が出現した。その細胞は、PDGFRA、COL4A1、GATA4、GATA6、SPARCといった原始内胚葉に特徴的な遺伝子が発現していた。免疫染色でも陽性の細胞が出現した。 同様に、CDX2を過剰発現させ、栄養外胚葉を誘導したところ、栄養外胚葉特異的遺伝子の発現を認めた。 以上から、ナイーブ型iPS細胞から栄養外胚葉および原始内胚葉を効果的に誘導することに成功した。この結果はヒトナイーブ型から胚体外細胞が誘導できることを示した最初の結果である。分化させる誘導系を確立することができたので、今後、ナイーブ型iPS細胞からどのようなメカニズムで、胚体外細胞が分化し、運命決定されていくのか、ヒト初期発生の解析を進めていく。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)