2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌における、ミトコンドリア複合体Ⅰが上皮間葉転換に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
15H06338
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 純明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80760769)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | 癌 / 乳癌 / EMT / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌において、トリプルネガティブ乳癌は治療標的がないことで予後不良である。 近年、トリプルネガティブ乳癌と EMT (上皮間葉転換)の関係が数多く報告されており、申請者は大学院博士課程において、新規高感度 EMT レポーターを組み込んだ乳腺細胞株を用いて EMT に寄与する遺伝子のスクリーニングを行った結果、代謝に関与する遺伝子を複数同定した。 この代謝遺伝子のうち、腫瘍の足場非依存性増殖(癌幹細胞の特徴の一つ)に関与すると考えられる代謝関連遺伝子についての実験を行い、実際に ATP 産生の増大や、ミトコンドリア機能の活性化などを通して上記のような機能を乳癌細胞に付与している可能性について検討を行っている。現在、再現性およびその他の実験手法による確認などを計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivo 実験に移行する前に、基礎的なデータの裏付けをを優先しているため、当初申請した内容からはやや遅れてはいるが、その分、バイオインフォマティクスを利用した解析や、メタボローム解析等を駆使して、幅広いデータ解析をしている。 次年度にこれらの結果を元にした確認の実験系を組む上で、有用な解析データの集積があったことを勘案し、おおむね順調とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
網羅的な代謝データの整理とそれらを説明しうる代謝変化の原因として、ミトコンドリア複合体1の機能が関与していることを、抑制系の実験で示し、論文化する予定である。
|