2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミストCVD法による有機無機ペロブスカイト太陽電池の形成技術に関する研究
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15H06343
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西中 浩之 京都工芸繊維大学, その他部局等, 助教 (70754399)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | ミストCVD / 混晶 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機無機ペロブスカイト太陽電池は、塗布法などの溶液を原料とする形成方法を用いながらも高い太陽電池効率を達成できる新規の材料として盛んに研究されている。本研究では、ミストCVD法という有機材料、無機材料のどちらも成膜可能であり、かつ溶液原料を用いながらも、気相法で形成することができるというユニークな手法を有機無機ペロブスカイト太陽電池に適用することで、その太陽電池効率の向上に向けた検討を進めている。 当初の計画であったミストCVD法の装置の立ち上げを完了し、ミストCVD法での有機無機ペロブスカイト材料の形成に成功した。得られた有機無機ペロブスカイトは他者から報告されているXRDの結果とほぼ一致しており、結晶化した有機無機ペロブスカイト材料が得られていることが分かった。特徴的な結果として、本研究では成膜温度を40℃としているにも関わらず、液体の凝集などが発生せず、有機無機ペロブスカイトの結晶が得られた。これは、小さなミストの特徴である少量の熱エネルギーによって溶媒が容易に蒸発することによるものと考えている。40℃といった低温での形成はPET基板の利用が可能となる温度であり、より安価で柔軟性かつ、可搬性のある太陽電池の形成に繋がる可能性を有している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規に立ち上げる計画であったミストCVD法の装置の立ち上げを完了し、ミストCVD法による有機無機ペロブスカイト材料の形成を達成している。一方で当初の研究予定であった不純物添加によるpn制御技術については、検討が進んでいない。これについては、有機無機ペロブスカイトの特徴的技術である、複数のハロゲンの混晶化によるバンドギャップエンジニアリングの技術を優先的に進めたことによるものである。そのバンドギャップエンジニアリング技術については、臭素と塩素の混晶化を行うことにより、可視光領域で異なる波長で発光する材料の形成に成功した。これらの混晶化した有機無機ペロブスカイト材料はXRDやホトルミネスセンスの結果より、相分離がなく、光学的に良好な結晶が得られている。この混晶化技術はpn不純物添加技術と同様に、材料物性の観点から重要な技術である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は3つのテーマを中心に研究を推進する。 1.ミストCVD法による有機無機ペロブスカイト材料形成技術の深耕化 2.pn制御技術/混晶化技術の検討 3.太陽電池/発光素子構造に関する検討 まずは、本研究の初年度に成功したミストCVD法による有機無機ペロブスカイト材料の形成技術に関する研究を推進する。ミストCVD法による有機無機ペロブスカイトの形成技術は新規の技術であることから、その技術の優位性や特徴を明確にすることを優先的に行っていく。またミストCVD方は溶液法の一つであり、不純物添加や混晶化を原料溶液に混ぜるだけで行うことができるといった特徴を有する。これらの特徴を活かして、ミストCVD法によるpn制御技術/混晶化技術の検討を進める。 また最終年度の成果に向けてデバイス構造の作製に向けて、太陽電池/発光素子の構造形成に関する検討を進めていく。有機無機ペロブスカイト以外の太陽電池/発光素子を構成する層については、主に有機系材料の利用を考えている。これらの材料はミストを用いた形成技術を用いることができるため、ミストによる一貫したプロセスの形成を視野に検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)