2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス遺伝子の非特異的な発現を抑制可能な次世代アデノウイルスベクターの作製
Project/Area Number |
15H06363
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町谷 充洋 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (90759523)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | アデノウイルス / 遺伝子治療 / バイオテクノロジー / NF-kB |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子治療研究ならびに基礎研究に汎用されている従来の非増殖型アデノウイルス (Ad) ベクターは、他のAd遺伝子の発現を誘導するE1遺伝子を欠損させることで、理論上Ad遺伝子が発現しないように設計されている。しかし、実際はE1遺伝子非依存的にAd遺伝子がわずかに発現し、免疫応答および組織傷害を誘導することが問題となっている。これまでに我々は、他のAd遺伝子の発現を制御すると報告されているE2遺伝子のプロモーター配列に、NF-kB結合配列があることを見出した。そこで本研究では、NF-kBがAd遺伝子の非特異的な発現を誘導しているか検討した。リコンビナントTNF-aを作用させてNF-kBを活性化した培養細胞にAdベクターを作用させたところ、Ad遺伝子の有意な発現上昇が見られた。一方、NF-kB阻害剤を作用させたところ、Ad遺伝子の非特異的な発現が有意に低下した。さらに、リコンビナントTNF-aとAdベクターをマウスに同時に静脈内投与したところ、Adベクター単独投与群と比較して、有意に高いAd遺伝子の発現が見られた。同様の結果が野生型Adを用いた検討でも得られた。さらに、NF-kB阻害活性を有するドミナントネガティブIkBaを発現するAdベクター(Ad-DNIkBa)を開発し、Ad遺伝子の発現ならびにAdベクター投与後の肝障害を検討した。Ad-DNIkBaを培養細胞もしくはマウスに作用させたところ、従来型Adベクターと比較して、Ad遺伝子の非特異的な発現が有意に抑制された。さらに、従来型Adベクターの投与ではALT・AST値の有意な上昇、すなわち肝障害が誘導されたのに対し、Ad-DNIkBaではそれらの上昇は全く見られず、肝障害が抑制されていることが示唆された。以上より、NF-kBがAd遺伝子の非特異的な発現を誘導することが明らかとなった。さらに、NF-kB阻害活性を有するAdベクターは、Ad遺伝子の非特異的な発現が抑制されているため、肝障害性が低く、安全性が高いことが示された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(6 results)