2015 Fiscal Year Annual Research Report
創薬応用を目指した高純度CYP3A4発現ヒトES/iPS由来肝細胞の作製法の開発
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15H06365
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高山 和雄 大阪大学, 薬学研究科, 特任助教 (10759509)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 肝細胞 / ヒトES/iPS細胞 / CYP3A4 / ゲノム編集 / 薬物代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト初代培養肝細胞とほぼ同レベルのcytochrome P450 3A4(CYP3A4)活性を有する高純度なヒトembronic stem (ES)/induced pluripotent stem (iPS)細胞由来肝細胞を作製するために、分化誘導法の改良と高機能肝細胞の濃縮という2つのアプローチを組み合わせて研究を遂行する。 1)培養上清を用いたヒトES/iPS細胞由来肝細胞の成熟化 肝臓には類洞内皮細胞、星細胞、胆管上皮細胞等の非実質細胞が存在しているため、これらの細胞由来株の培養上清を用いて、ヒトES/iPS細胞由来肝細胞の成熟化を試みた。具体的には、TMNK-1細胞株、LX-2細胞株、HuccT1細胞株などを使用した。また、肝細胞からの作用も評価するため、ヒト初代培養肝細胞やHepG2細胞株も使用した。どの細胞株の培養上清によって、ヒトES/iPS細胞由来肝細胞のCYP3A4活性が向上するかどうか調べた。その結果、ヒト初代培養肝細胞やHepG2細胞株の培養上清を用いてヒトES/iPS細胞由来肝細胞を培養することによって、CYP3A4活性が有意に向上した。 2)CYP3A4発現ヒトES/iPS細胞由来肝細胞の濃縮 CYP3A4発現ヒトES/iPS細胞由来肝細胞を濃縮するために、CYP3A4遺伝子下流に薬剤耐性遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子)のノックインを試みる。本年度は相同組換えに使用するドナーベクターの構築を行った。また、CYP3A4タンパクのC末端側にネオマイシン耐性遺伝子を2Aペプチドを用いて融合させてもその活性が低下しないことを確認した。さらに、ヒトES/iPS細胞における相同組換え効率を向上させるために、両アームの中間点でDNA2本鎖切断可能なCRISPR/Cas9システム搭載ベクターを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞の培養上清を用いることにより、ヒトES/iPS細胞由来肝細胞の成熟化に成功した。また、CYP3A4発現ヒトES/iPS細胞由来肝細胞を濃縮するための準備も順調に進展している。以上のことから、本研究はほぼ予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
CYP3A4発現ヒトES/iPS細胞由来肝細胞を濃縮するために、CYP3A4遺伝子下流に薬剤耐性遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子)をノックインしたヒトES/iPS細胞株の取得を試みる。ノックイン株を取得出来次第、未分化能や肝細胞への分化能を評価するとともに、実際にCYP3A4発現ヒトES/iPS細胞由来肝細胞を濃縮可能かどうか検討する予定である。
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Research Products
(8 results)