2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングによる活性化造血幹細胞ニッチの同定
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15H06373
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
数藤 孝雄 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (80631184)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 / 活性化マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞の特徴は自己複製能と多分化能を有することであるが、その維持・調節のためには造血幹細胞を取り巻く造血微小環境が重要な働きをすることが示されている。その中で、造血幹細胞は“造血幹細胞ニッチ”と呼ばれる特有の環境に存在すると考えられている。造血幹細胞の多くは静止状態にあるが、化学療法や放射線照射などによる骨髄抑制を受けた後には、減少した血球を補うべく細胞周期が活性化し、盛んに分裂するようになる。静止状態と自己複製的な増殖および成熟血球への分化のバランスを保つために、造血幹細胞は必要に応じたシグナルを享受する必要がある。そのため、造血幹細胞は状況に応じて、相互作用するニッチの場を移動すると考えられているが、詳細は明らかになっていない。 我々は、二光子励起顕微鏡を用いて骨髄内の造血幹細胞の可視化を行った。生きたマウスを麻酔下に頭部の剃毛と皮膚切開をした上で固定台上に固定し、二光子励起顕微鏡を用いて骨髄内を長時間撮影することに成功した。この技術により、造血幹細胞の骨髄内における三次元的な位置や、その動きを捉えることができた。得られた画像を解析ソフトを用いて詳細に解析することにより、環境側の変化によって造血幹細胞自体の動きや局在に変化が生じることが明らかとなった。 造血幹細胞は、骨髄環境側からのシグナルにより細胞周期を変化させていると考えられたため、造血幹細胞近傍の環境側の細胞を解析することにより、造血幹細胞を活性化させる候補シグナルを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造血幹細胞の生体イメージングに成功し、環境側の変化によって造血幹細胞自体の動きや局在に変化が生じることを明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
造血幹細胞は、骨髄環境側からのシグナルにより細胞周期を変化させていると考えられたため、造血幹細胞近傍の環境側の細胞を解析することにより、造血幹細胞を活性化させる候補シグナルを明らかにする。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Estrogen-inducible sFRP5 inhibits early B-lymphopoiesis in vivo, but not during pregnancy2015
Author(s)
Yokota T, Oritani K, Sudo T, Ishibashi T, Doi Y, Habuchi Y, Ichii M, Fukushima K, Okuzaki D, Tomizuka K, Yamawaki K, Kakitani M, Shimono A, Morii E, Kincade PW, Kanakura Y.
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Journal Title
European Journal of Immunology
Volume: 45
Pages: 1390-1401
DOI
Peer Reviewed
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