2015 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病でのスカベンジャー受容体SR-AとTLR4のクロストークの役割の解明
Project/Area Number |
15H06403
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
清水 まみ 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10757313)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / スカベンジャー受容体 / TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、1型糖尿病(T1D)とRNAウイルスであるエンテロウイルスとの関連が報告されている。また、免疫寛容誘導における腸管免疫の重要性が認識されており、本研究ではその中で自然免疫と獲得免疫の橋渡し役になる樹状細胞(DC)上のスカベンジャー受容体とグラム陰性桿菌感染の感知センサーであると同時に、脂肪酸の感知センサーでもあり、免疫系と代謝系の連関"Immunometabolism"に重要と考えている感知センサーTLR4に焦点を当てる。私は、T1Dにおいて樹状細胞(DC)に着目し、そのスカベンジャー受容体SR-AがdsDNAウイルス感知センサーTLR3の上流に存在し、糖尿病発症において二面的な役割があることを以前に報告したが、今回はSR-AとTLR4のクロストークがT1D発症に及ぼす影響を解明することを目的に研究を進めている。 今回の研究により、NODマウスに対してTLR4のリガンドであるLPSの投与実験を行ない、コントロールとしてのPBS投与群と比較して発症抑制効果を認めた。また、T1Dのサイクロフォスファマイド投与モデルにおいても検討し、このモデルにおいてはLPS投与により有意に糖尿病の発症を抑制することを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TLR4のアゴニストであるLPSの投与実験により、自然発症NODマウス、特にNODマウスのサイクロフォスファマイド投与モデルにおいて有意に発症抑制するという興味ある結果を得ているが、SR-A欠損NODマウスでの検討が若干遅延しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、SR-A欠損NODマウスに対してLPSの投与実験を行い、PBS投与SR-A欠損NODマウスやLPS投与NODマウス、PBS投与NODマウスを対照として発症抑制の有無をnを増やして詳細に観察し、SR-AのT1Dにおける役割をTLR4との連関との観点から解明する予定である。さらに、パルチン酸の投与によるDCへの刺激により1型糖尿病発症に及ぼす影響を検討し、SR-AとTLR4のクロストークの存在をさらに検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)