2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H06406
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
奥村 好美 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 講師 (30758991)
|
Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
Keywords | オランダの教育 / ピースフルスクール / シチズンシップ教育 / 教育方法学 / 教育評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オランダにおけるピースフルスクールプログラムの理論と実践、およびそこでの教育の質を維持・向上させるための取り組みを検討する。それにより、授業実践にとどまらず、学校全体での取り組みや地域社会との連携といった広い視点を有する市民性教育の在り方を探究し、そうした教育実践の質を保つための方策を見出すことを目的としている。 この目的を達成するために、本年度は、まず、現地調査等を通じて資料収集を行った。その際には、文献の収集だけでなく、プログラムの開発者へのインタビューを通じた情報収集や実際のピースフルスクールを訪問することによる情報収集も行った。収集した資料をもとに、プログラムの理論と実践について検討を行ってきた。オランダのピースフルスクールプログラムの特徴は、学校のみならず、地域においても民主主義的な文化を形成することを目指している点、また学校内では特にメディエーターと呼ばれる児童を中心として、1人ひとりの子どもが自分たちで衝突を解決することができる力を育むなど民主主義社会におけるコンピテンシーを子どもが学べるようにしている点にあるといえた。また、プログラムにおける教育の質の維持・向上のために行われている取り組みについても検討を進めた。それにより、学校改善を考える際には、限定的な側面での短期的な改善を目指すのではなく、長期的に学校文化そのものを改革していくといった視点が鍵となることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、現地調査等を通じて資料収集を行い、そこで収集した文献やインタビューの結果をもとにピースフルスクールプログラムの理論と実践について検討を行った。プログラムの特徴を特定することで実践の分析枠組みを探り、プログラムの分析を進めてきた。プログラムにおける教育の質の維持・向上のために行われている取り組みについても検討を進め、長期的に学校文化そのものを改革していくといった視点が大きな鍵となることを明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度行った研究に基づき、ピースフルスクールの実践分析をさらに進め、理論の再検討を行いたい。その際には、特に地域社会との連携や学校全体のカリキュラムに着目して研究を進めたい。教育の質の維持・向上のために行われている具体的方策についてもさらなる検討を行う予定である。それにより、本研究が目的としている、授業実践にとどまらない学校全体での取り組みや、地域社会との連携といった広い視点を有する市民性教育の在り方を探究するとともに、そうした教育実践の質を保つための方策についてもさらなる考察を進めていきたい。
|
Research Products
(1 results)