2016 Fiscal Year Annual Research Report
Temporal changes in spatial distribution of macrofungi on Borneo island during past 100 years
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15H06445
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山下 聡 徳島大学, 大学院生物資源産業学研究部, 講師 (70450210)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 多孔菌類 / 収蔵標本 / 多様性 / 森林タイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
東南アジア熱帯雨林は生物多様性の保全上きわめて重要な森林である。その一方で,人為活動等による環境の改変により,森林面積の減少や森林の劣化などが引き起こされている。多孔菌類は熱帯雨林において木材分解者として重要な役割を担う。東南アジア熱帯雨林における多孔菌類の多様性は高いと推測されるものの,これまでの研究はごく一部の国立公園などのデータに基づいたものであり,広域をカバーするものではなかった。 マレーシア国サラワク州の森林局には1950年代から2003年に至るまで州内の各地で採集されてきた多孔菌類の標本が未整理のまま収蔵されていた。そこで本研究では,これらの標本を利用して,同州内の森林タイプ間で多孔菌類相を比較し,β多様性の一端を明らかにすることを目的とした。サラワク森林局に収蔵されている多孔菌類子実体の標本787点のうち608点が167種に同定された。ラベルに記載された情報を電子化し,データベースを構築した。その結果,608点が種同定され167種が含まれることが分かった。ラベルの情報をもとにこれらの標本が得られた森林タイプをまとめると,フタバガキ林から71種,マングローブ林から39種,石灰岩地林から34種,ケランガス林から32種,湿地林から25種が得られた。フタバガキ林とケランガス林の間では種構成の類似度が高かった。マングローブ林と湿地林の間でも同様であった。フタバガキ林などとマングローブ林,湿地林では類似度が低かった。菌類の中には特定の森林タイプにのみ見られる種もあり,例えばGanoderma ochrolaccatumはマングローブ林のみから7点が記録されていた。 本研究の結果を日本森林学会大会において発表した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)