2015 Fiscal Year Annual Research Report
パターン認識受容体との相互作用理解に基づくステルス型siRNA医薬設計法の開発
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15H06446
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田良島 典子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任助教 (90755183)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | siRNA / 核酸医薬 / RNA干渉 / 自然免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、申請者が独自に設計したケミカルデバイスを利用してshort interfering RNA (siRNA)-パターン認識受容体間の相互作用を理解し、得られた情報を基にsiRNA医薬開発において予期せぬ副作用発現の原因となる自然免疫応答を回避可能なステルス型siRNA医薬設計法の開発を目的とする。平成27年度は、申請者が設計したケミカルデバイス (3dia-deAおよび7-dia-deA) の合成に取り組んだ。当初の計画に従い、7-deazaadenosineならびに3-deazaadenosine誘導体をもとに有機金属触媒反応によりトリフルオロアセチル基を導入し、これを足がかりとしたジアジリン基への変換を達成した。収率に改善の余地を残す工程を含むものの、得られたヌクレオシド体をホスホロアミダイト誘導体へと導くことで、ケミカルデバイス導入siRNAの合成を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した通りの合成ルートに従い、2種のケミカルデバイス (3dia-deAおよび7-dia-deA)を合成することが出来た。本化合物の合成には若干の時間を要したものの、プロトタイプであるBr型のケミカルデバイスを用いて、自然免疫応答誘導の評価系を構築することが出来た。したがって、siRNA中へのケミカルデバイスの導入が完了次第、迅速に活性評価を実施出来る状況にあり、以上のことから本研究課題は概ね順調に進展していると判断出来る。また、プロトタイプであるBr型のケミカルデバイスを用いて得られたデータについて、現在論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27度に合成したケミカルデバイスをsiRNA中へ導入し、Whole Blood Assay (WBA) により自然免疫応答に与える影響を評価する。また、本検討において観察された自然免疫応答変化の一般性を評価するため、他のsiRNA配列の合成・評価を実施する。さらに、活性変化の鍵となったパターン認識受容体の同定のため、光照射による受容体補足ならびに相互作用アミノ酸残基の同定を試みる。上記の検討により得られた情報を基に、siRNA医薬開発において予期せぬ副作用発現の原因となる自然免疫応答を回避可能なステルス型siRNA医薬設計法の開発を実現する。
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Research Products
(10 results)