2015 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた慢性血栓塞栓性肺高血圧症の新たな非侵襲的評価法の開発
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15H06478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 誘三 九州大学, 大学病院, その他 (00643347)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | MRI / 肺高血圧 / 肺動脈バルーン形成術 / 心室間同期不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性血栓塞栓性肺高血圧と診断され、加療を受ける予定の患者約 50 名の心臓 MRI(phase contrast、cine、tagging) を治療前、治療後に撮像する予定としている。 初年度は主にMRIの撮像による症例の蓄積を行い、現在まで20人程度のBPA前後のMRIの撮影、心臓カテーテル検査が完了できている。 初期の結果として20名で、cineを用いて両心機能の変化を、taggingを用いて両心室間の同期不全の評価を行った。治療前後で、右室容積は減少し、左室拡張末期容積は増加、拍出量は増加することが分かった。また、心室間の同期不全の改善が拍出量の改善と相関することがわかり、心室間相互作用を介して、両心機能に好影響を与えていることが明らかになった。拍出量の増加や心室間同期不全の改善に関して、BPA前後の変化を明らかにしたのは、過去に報告がなく、新たな知見と考えられ、心血管画像動態学会で発表し、Young Investigator Awardに選ばれた。現在、一流英文誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例の蓄積に予想よりも時間がかかっている。カテーテル治療が複数回に及ぶため、終了までに1年近くかかる症例も多い。そのため、治療が完了した症例数が現時点では予想よりも少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の蓄積と画像解析を同時に行いながら、得られた知見に関しては逐次国際学会で発表を行っていく。今後は治療が終了した症例も増えると予想されるので、本年度よりも順調に進行すると考えられる。本年度は治療成功群と不良群でのMRI測定値から、治療適応の指標や合併症のリスク因子の検索までを行いたい。
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