2016 Fiscal Year Annual Research Report
細胞老化における核小体機能と細胞内エネルギー変化の分子機構の解明
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15H06507
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井形 朋香 熊本大学, 発生医学研究所, 特定事業研究員 (20755607)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化とは、さまざまなストレスにより不可逆的な増殖停止が誘導される状態である。細胞老化した細胞(以下老化細胞)は増殖を停止しているため、細胞内でのエネルギー消費は低下すると考えられてきた。しかしその一方で、老化細胞はアクティブな代謝活性やサイトカインなどの分泌を特徴としており、実際申請者らは老化細胞において脂肪酸代謝や解糖系の亢進によりエネルギー産生が高まっていることを報告している。このように細胞老化により細胞内のエネルギー状態は大きく変化していることが予想されるが、細胞老化における細胞の性質変化や細胞の生存維持に細胞内のエネルギー状態の変化がどのように関わっているのかは不明である。 本研究では、細胞内最大のエネルギー消費の場であり、細胞内のエネルギー恒常性を司る核小体の機能に着目して研究を進めてきた。これまでに細胞老化において核小体が特徴的な形態に変化することをコンピュータプログラムによる形態特徴解析により明らかにした。またその形態変化に関わる転写因子をsiRNAスクリーニングにより同定した。この転写因子のノックダウンでは細胞老化において発現が誘導される遺伝子群の発現量が増加することがわかった。またこの転写因子が核小体機能に関わる遺伝子の転写調節領域に結合することを明らかにした。これらの結果は、この転写因子が核小体機能に関わる遺伝子の転写調節を行うことによって核小体におけるエネルギー消費を制御しており、その制御を緩めることが細胞老化の促進に寄与することを示唆した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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