2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H06549
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
水関 健司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80344448)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2016-03-31
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Keywords | 海馬 / 内嗅領皮質 / 記憶 / スパイク間隔 / スパイク伝達効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、記憶に重要な海馬・内嗅領皮質の回路で、脳領域間ならびに神経細胞間の相互作用・機能的結合が学習や経験によってどのように変化するかを調べることを目標とした。そのために、記憶課題中ならびに記憶固定に重要な睡眠中のラットの海馬・内嗅領皮質の両方から100個以上の神経細胞の発火とフィールド電位を同時記録したデータを使って、興奮性細胞・抑制性細胞の細胞種を識別して、領域間ならびに細胞間の相互作用と記憶・行動の相関を解析した。具体的には、神経細胞発火のcross-correlogram, 海馬・内嗅領皮質の亜領域間のシータ波・ガンマ波のパワーとコヒーレンス、個々の神経細胞の発火とシータ波・ガンマ波の相関などを調べることにより領域間・細胞間の相互作用を定量化し、それらが学習の過程でどのように変化するかを調べた。その結果、スパイク伝達効率がシナプス前・後の細胞の発火頻度にかかわらず、文脈依存性である細胞ペアーを見出した。さらに、場所記憶課題を行う前後の睡眠中のスパイク伝達効率を比較した結果、学習前に比べて学習後に有意にスパイク伝達効率が上がるペア、ならびに下がるペアを見出した。スパイク伝達効率の文脈依存性や長期の変化が、新たな学習を行い課題を習得していく過程でどのように変化していくのかの解析を進めている。またスパイク伝達効率が学習後に変化した細胞ペアと変化しない細胞ペアを比較して、それらの細胞ペアが表現している受容野の安定性や情報の内容の違いを調べることにより、スパイク伝達効率の変化の生理的意味を明らかにしつつある。さらに、個々の細胞のスパイク間隔ならびにその相対的なばらつきが情報をコードし、文脈依存的・脳状態依存的・脳領域依存的に変化することを見出した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)