2015 Fiscal Year Annual Research Report
産業・貿易構造解析を通した二酸化炭素排出評価に関する研究
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15H06554
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Research Institution | Onomichi City University |
Principal Investigator |
岡本 隼輔 尾道市立大学, 経済情報学部, 講師 (00756182)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 国際サプライチェーン / 産業クラスター / 二酸化炭素 / 構造分解分析 / 産業連関表 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究計画で最も重要になると思われる国際産業連関表の整備を初め、概ね順調に研究を遂行した。国際産業連関表は様々に整備が進められつつあるが、各年の価格変動を考慮した、実質価格での国際産業連関表は少ないため、時系列分析を行う際には、表に内包される世界各国の各産業の物価指数について価格の実質化(価格デフレータ及び為替変動等)を行う必要があったため、これに従事した。また研究の視野を二酸化炭素にとどめず化学物質等にも広げた共同研究も同時に進め、これについては一部を長崎大学の藤井秀道氏(准教授)と環太平洋産業連関分析学会等での口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に用いるデータに関して価格の実質化が行われたものが無く、新規に作成する必要性が急遽出たことにより、それに必要なGRAS法と呼ばれる計算アルゴリズムの作成や実際の計算に予定よりも多く時間を割くことになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、用意したデータを基に、単位構造モデルから多地域を対象とした単位構造モデルへと展開し、その多地域単位構造モデルから国際サプライチェーンネットワークデータを構築し、当該最終消費財の需要に伴う国内・国際間の経済取引によって誘発されるCO2排出量の推計を行う。この空間的な相互依存関係によって誘発するCO2排出量に関するネットワークデータ(隣接行列)を利用してネットワーク分析を行う。具体的にはグラフ分割分析を行い、国際サプライチェーンネットワークから炭素集約的な産業クラスターの検出を行うだけでなく、次数中心性分析を通したサプライチェーンネットワークにおけるCO2誘発排出の鍵となるセクターの特定化、炭素クラスターの態様、炭素クラスターの地域間での違いなどの国際比較分析を行う。研究成果の公表については、引き続き国際学術雑誌への投稿に挑んでいく予定である。
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Research Products
(4 results)