2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H06559
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Research Institution | Tohoku Womens College |
Principal Investigator |
森川 夏乃 東北女子大学, 家政学部, 助教 (70757252)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 心身症 / 高校生 / 家族関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、心身症の児童生徒の家族関係と症状について調査を行い、児童生徒の心身症症状の軽減・憎悪と、発症前から現在までの家族関係及び家族の対処行動との関連を明らかにすることを目的とした。腹痛や頭痛等の身体的な訴えのある高校生250人を対象に質問紙調査を行ったところ、発症当時あるいは現在の家族関係が直接的に症状の頻度に影響を与えているというよりも、症状に対する家族の対処行動が子どもの抑うつや不安を介して、症状の頻度が増すことが示された。具体的には、症状に対して家族が落胆したり回避行動をとること、子どもを非難することにより、子どもの抑うつ・不安や怒り、無気力が高まり、症状の頻度が増すことが示された。反対に、症状に対して家族が共感的に対応することで、子どもの抑うつ・不安や怒り、無気力が軽減され症状の頻度が減ることが見いだされた。このことから、症状に対する家族の対処行動に介入をすることで、症状の軽減につながることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度では、心身症症状と家族関係・家族の対象行動に関して質問紙による量的調査とインタビューによる質的調査を行うことを計画していた。量的調査に関しては、十分にデータを収集し分析を終えたが、現段階では質的調査のための協力者を一定数集めることができておらず、インタビューの調査中にあるため、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度から継続して、心身症症状と家族関係や家族の対処行動について、本人にインタビュー調査を行う。加えて、心身症の児童生徒を持つ親に対して介入を行い、対象行動の変容と症状との関連について検討する。このとき、介入前後の対処行動について、児童生徒に対して質問紙調査を行い、本人が認識している家族の対処行動の変容がいかに症状と関連しているかについて明らかにし、家族関係への介入プラグラムの効果の検証を行う。
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Research Products
(1 results)