2017 Fiscal Year Annual Research Report
A new visual mechanism estimating distance among objects
Project/Area Number |
15H06615
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久方 瑠美 東京工業大学, 工学院, 助教 (30588950)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2018-03-31
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Keywords | 実験心理学 / 感覚 / 空間知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、"密度-距離順応"について、それが視覚系の単眼・両眼処理段階のどちらで発生しているのか処理段階についての切り分けの実験と、現象の両眼視差選択性が存在するかどうかを検討する実験を行った。 まず処理段階の検討であるが、両眼分離呈示装置を用いて順応刺激とテスト刺激が異なる眼に呈示されても順応効果量が変化しないかどうかを検討した。実験の結果、順応効果の転移率はどの参加者でもほぼ1であり、現象が両眼性処理段階で発生していることを示していた。両眼性処理段階の関与が示されたことから、"密度-距離順応"が奥行き面に対して選択性をもつかどうか検討した。奥行きについての知覚はさまざまなものがあるが、今回の実験では量的な奥行き手がかりとなる両眼視差による奥行き知覚を用いた。実験では、順応刺激とテスト刺激をそれぞれ異なる奥行き面に呈示し、テスト刺激である2点のドット間距離が変化するかどうかを計測した。その結果、順応刺激が異なる奥行き面に呈示されたとしてもテスト刺激に対する縮小効果は減少せず、この現象には両眼視差選択性がないことが明らかになった。本実験結果を日本基礎心理学会にて発表し、国際論文誌へ投稿準備中である。 さらに、"密度-距離順応"の時間特性について検討するため、順応刺激の呈示時間とリフレッシュ頻度の影響を実験的に調べた。以前に発表した論文(Hisakata,Nishida & Johnston,2016)や現象観察において、順応刺激のテクスチャのドット位置がある程度時間変化することが効果量をあげることがわかっていた。結果として、順応刺激がもつ時間周波数が高いほど縮小効果が大きく、また20msほどの短時間の順応でも知覚的距離の縮小が引き起こされることが明らかになった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)