2015 Fiscal Year Annual Research Report
MicroRNAと標的遺伝子による口腔癌の癌抑制ネットワークの制御機構の解明
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15H06626
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
篠塚 啓二 帝京大学, 医学部, 助手 (30431745)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 / microRNA / ネットワーク解析 / microRNA アレイ解析 / 癌関連遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、留学のために中断してしまった若手研究(B)のテーマを継続・発展させ、帝京大学での口腔癌患者の臨床検体を用いて、同定したmicroRNAに関して、発癌との関連の再現性を確認すると共に、口腔癌の増殖能、遊走・浸潤能、転移能に影響するかどうかを指標としたmicroRNA の機能解析を行うものであった。 正常口腔粘膜上皮3種類と口腔癌細胞株10種類(HSC2, HSC3, HSC4, Ca9-22, KON, SCC4, OK92, OSC19,Sa3,H1)を用いて、Human miRNA Microarrayを使用してマイクロアレイ解析を行った結果、正常口腔粘膜上皮と比較して口腔癌細胞株で著明な発現変動を示し、口腔癌に関与していることが示唆される7種類のmiRNAを同定している。これらの同定された遺伝子に関して、さらに口腔癌細胞株を増やし、RT-PCRにて、再現性の確認を行った結果、Microarrayの結果と同様の傾向を示した。また、同定されたmicroRNAに関与するターゲット遺伝子(mRNA)をSanger Institute miRBase を用いて検索した。そして、以前に行った、cDNA マイクロアレイによる総合的・網羅的な遺伝子発現プロファイリング・データーベースを活用し、ターゲット遺伝子の中から、口腔癌細胞株で正常株と比較し、発現様式が有意に変化を示した遺伝子と一致する遺伝子を検索したところ、miR-125bとICAM遺伝子との関連性を示した。今後は、同定されたmicroRNA を用いた標的遺伝子についてIngenuity Pathway Analysis (IPA) Softwareを用いて、Ontology 解析を行い、癌関連遺伝子ネットワークの解析を行う予定である。併せて、臨床検体を用いた臨床指標との関わりも解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床サンプルが回収できず、臨床検体を用いた研究を行うことが今年度は出来なかったため、予定より、遅れが出てしまった。しかしながら、次年度に予定されていた実験を繰り上げて行える部分に関しては、行うことで調整を計った。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を集め、同定したmicroRNAの遺伝子の発現状態を確認する。その結果次第で、再解析を行うことも予想される。また、ネットワーク解析も随時進めていく予定である。 これらを行うことで、口腔癌のmicroRNAにより発現制御される遺伝子ネットワークを解明することが出来、口腔癌におけるmicroRNA を標的とした新しい診断および治療開発を行えると確信している。
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