2015 Fiscal Year Annual Research Report
タバコ煙刺激と歯周病原細菌によるヒト歯肉上皮細胞のmiRNA発現・機能解析
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15H06631
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
今村 健太郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60755007)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | miRNA / タバコ煙 / Porphyromonas gingivalis / ヒト歯肉上皮細胞 / 細胞遊走能 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでタバコ煙抽出物(CSC)が細胞機能,とくに遊走能に対し低濃度で促進,高濃度で抑制と二相性の影響を与え,このようなCSC の作用はPorphyromonas gingivalis感染によって修飾されることを明らかにしてきた。この先行研究の結果を受け,さらに詳細なメカニズムを検討することを目的として,本年度は宿主細胞に対するCSCと P. gingivalis 感染によるエピジェネッティックな影響を検索した。 遊走能の促進が認められた低濃度CSC10 μg/ml によるヒト歯肉上皮細胞のmiRNA 発現の変化をPCR arrayを用いて評価した。その結果を踏まえ,変化が著名に認められたmiRNAの中から,細胞遊走の促進と抑制への関与が示唆されているものを選択し,高濃度CSC250 μg/ml とP. gingivalis 感染を伴わせた条件を加えてRT-PCR を行った。 PCR arrayの結果として,84個のmiRNAうち64個において1.5倍以上の上昇が認められた。さらにRT-PCRでは,遊走能の促進に関与しているmiR-125aの発現量をコントロールと比較したところ,低濃度CSC群で1.4倍,高濃度CSC+P. gingivalis 群で1.7倍の発現上昇を示し,高濃度CSCでは60%程度の減少を認めた。また,抑制に関与が示唆されているmiR-301は高濃度CSC+P. gingivalis 群において1.9倍の発現量を示した。 以上の結果より,miR-125aは低濃度CSCによる細胞遊走能の抑制に関与しており,miR-301は高濃度CSCとP. gingivalis 感染による遊走能の抑制に関与していることが明らかとなった。今後は,これらのmiRNAがシグナル伝達経路(MAPkinase)関連タンパクに与える影響を解明し,宿主細胞の機能,特に細胞増殖能や遊走能の制御法の検討をする必要があると考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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