2016 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of stress reappraisal on central executive resources and selective attention
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15H06722
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
西村 律子 愛知淑徳大学, 心理学部, 講師 (10757727)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | ストレスの肯定的評価 / 選択的注意機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ストレスを肯定的に評価することが,ストレス状況下での選択的注意機能を向上させることを明らかにすることを目的とした。ストレス状況下で,ヒトは否定的感情を抱きやすく,不適応な生理反応が生じ,認知機能が低下することは多くの実証研究から明らかにされている。しかし,ストレスを環境からなくすことは不可能であるため,ストレス状況下であっても,我々の認知機能低下を防ぐ手立てを構築することは,現代における社会問題を解決する可能性を含む点で,意義があると考えた。 本研究では,ストレス状況下での否定的感情の生起を防ぐために,「ストレスの肯定的評価(e.g., Jameison et al., 2013)」に注目し,ストレス状況下であっても,そのストレスを肯定的に評価することで(ストレスは有害ではなく,課題遂行を手助けするものである,と教示を与える),否定的感情が低下し,選択的注意機能を維持することができると予測した。 当該年度中に,予定されていた実験2つを完了することができ,以下2点を明らかにすることができた。まず,①スピーチストレスをかけることで,唾液中アミラーゼ量が増加し,選択的注意機能が低下すること。次に②スピーチストレスをかけられた状況で,ストレスの肯定的評価をした参加者は,その他の教示(ストレスを無視することが最適なストレス対処法である)を実施された,あるいは一切の教示を与えられなかった参加者に比べ,唾液中アミラーゼ量の低下,および選択的注意機能の向上が認められた。 結果は概ね仮説通りであり,ストレスを肯定的に評価することが,認知機能低下を防ぐことを示すことができた。ただし,ストレスの肯定的評価が認知機能低下を防ぐ効果には個人差があることも示唆される結果であったため,さらなる検討が望まれるものの,ストレス状況下での認知機能低下を解決する一つの可能性を示唆できたと考える。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)