2015 Fiscal Year Annual Research Report
新法「都市農業振興基本法」に基づく「土地利用計画」策定に関する地域政策論的研究
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15H06741
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
石原 肇 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (90759911)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 都市農業 / 生産緑地 / 三大都市圏 / 土地利用計画 / 地域政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、27年度においては、三大都市圏の中心をなす東京都・愛知県・大阪府の3都府県を対象に調査を行うこととしていた。首都圏の中心をなす東京都については既に研究実績があったことから、27年度は近畿圏の中心をなす大阪府と中京圏の中心をなす愛知県を研究対象地域として、1970年から2010年までの緑地構成要素としての農地の変化について把握するとともに、1990年から2010年までの都市農業の変化を把握した。 学会発表は以下のとおりである。日本地理学会秋季大会において「大阪府における緑地構成要素の変化に関する地域的特性」を口頭発表し、「愛知県における緑地構成要素の変化に関する地域的特性」をポスター発表した。また、日本都市学会大会において「1990 年以降の愛知県の都市における農業の変化」を、近畿都市学会において「1990 年以降の大阪府の都市における農業の変化」をそれぞれ口頭発表した。さらに、日本地理学会春季大会において「1990 年以降の京都府の都市における農業の変化」を口頭発表し、「京都府における緑地構成要素の変化に関する地域的特性」をポスター発表した。 これらの発表をもとに論文として発表したものは、以下のとおりである。『人間環境論集』に「大阪府における緑地構成要素の変化に関する地域的特性」と「愛知県における緑地構成要素の変化に関する地域的特性」を公表した。なお、『日本都市学会年報』に「1990 年以降の大阪府の都市における農業の変化」を投稿し、現在、印刷中である。 また、近畿圏・中京圏に先行して研究を進めてきた首都圏の東京都については、具体的な地域として東村山市を選定して調査を行い、『地球環境研究』に「東京都東村山市における市場出荷型花壇苗産地の存続戦略」として公表した。 以上のように、採択されてから半年の期間ではあったが、概ね所期の計画を達成するような成果をあげられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したとおり、当初の計画である大阪府や愛知県の調査に加え、京都府の調査も進める等、計画を若干上回る速度で実行し、6件の学会発表や3本の論文の公表を行った。また、学会発表を既に行ったものについては、1件は既に投稿しており、残りのものについても、投稿準備を進めている。 また、28年3月に、日本地域政策学会第15回大会(28年7月開催)の個別報告に「三大都市圏における都市農業振興施策の比較-東京都・愛知県・大阪府の3都府県を事例として-」を応募し、28年4月に個別報告として採用されることが決定された。 さらに、28年4月に土木学会論文集G(環境)に、「大都市の緑地構成要素としての農地の変化-東京都・大阪府・愛知県を事例として」を投稿し、現在審査中である。調査結果が出てきたものについて、学会発表や論文作成を行っている。 したがって、おおむね順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って28年度も的確に研究を進めていく予定である。ただし、若干、都市農業振興基本法に基づく「土地利用計画」の策定について行政の動きが緩慢なところもあり、その部分が28年度の研究を進める上での課題となる可能性がある。都市農業振興基本法では「土地利用計画」を策定する前段に、「都市農業振興計画」を策定することとされており、この「都市農業振興計画」の策定の動きがみられる。地方公共団体の計画策定の動向を注視し、適切に対応していく。
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Research Products
(9 results)