2015 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノホールアレイを用いた高感度小型蛍光バイオセンサの開発
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15H06766
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
當麻 真奈 関西学院大学, 理工学部, 助教 (20756697)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 表面プラズモン共鳴 / ナノ材料 / バイオセンサ / コロイドリソグラフィー / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は低コストで簡便な手法で作製した金属ナノホールアレイの光学特性を評価・制御するとともに、高感度の小型蛍光バイオセンサへの応用を目的としている。平成27年度は主に①コロイドリソグラフィーを用いた金属ナノホールアレイの作製及びその構造の評価、および②実験に用いる光学系の構築の2つの要素研究について取り組んだ。課題①では、直径数百nmのポリスチレン粒子(PS 粒子)の二次元結晶膜をガラス基板上にスピンコート法によって作製し、PS 粒子を酸素プラズマ処理によって収縮させ、粒子形状を原子間力顕微鏡を用いて観察した。酸素プラズマ処理後のPS粒子膜に膜厚約50 nmの金属薄膜を製膜し、PS 粒子をトルエンで除去することによって、金属ナノホールアレイを作製し、紫外可視吸収分光法によって光学特性を評価した。課題②では、金属ナノホールアレイの光学特性をより詳細に議論するために、入射角度および測定角度が可変な光学系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
金属ナノホールの作製に関しては、PS粒子の収縮には真空プラズマ装置を用いる予定であったが、装置が利用可能な施設が見つからなかったため、大気圧プラズマ装置を用いることに変更した。大気圧プラズマ装置では、高密度なプラズマが局所的に噴射されるために、プラズマ処理後に粒子膜の均一性が保たれないなどの問題が生じたために、条件出しに時間が掛かっており、全体として当初の計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では引き続き構造の作製や光学系の制御システムの開発を進めていく。構造の作製に関しては、大気圧プラズマ処理の実験条件を更に詳細に検討するほか、大気圧プラズマ処理を用いない金属周期ナノ構造体の作製およびその光学特性評価についても検証を行う。光学系の制御システムに関しては、LabVIEWを用いた制御ソフトを構築し、測定の自動化を図る。それに加えて、作製した金属ナノ構造体でのモデルイムノアッセイを用いた蛍光バイオセンサの感度の評価、および基板表面の化学修飾法や光学系の改善、三次元構造の作製におけるセンサ感度改善の二つの要素研究に取り組んでいく。
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Research Products
(2 results)