2015 Fiscal Year Annual Research Report
小中学校におけるけいれん発作リスクがある児の疫学と発作対応、健康管理の現状と課題
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15H06772
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
丸山 有希 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (50759389)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | けいれん発作 / 小中学校 / 養護教諭 / 抗けいれん坐薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、通常の小中学校に在籍するけいれん発作のリスクを持つ子ども達の疫学的な現状と健康管理の実態について調査することおよび養護教諭が自身の役割と学校での健康管理の現状をどのように捉えているかを明らかにすることである。研究方法は全国の小中学校から無作為に検出した2400校の養護教諭を対象とした質問紙調査である。 本研究は、対象の小中学校において、H27年度に在籍する児童生徒の中での、けいれん発作のリスクを持つ児童生徒の割合、服薬の有無、学校管理下での発作の有無、発作が起きたときの対応、宿泊行事での対応などの健康管理に関して、1年間の状況を調査する研究である。したがって調査は年度末の3月に実施する必要がある。そのため、初年度であるH27年度は関連文献の検索、内容についての検討後、質問紙を作成し、年度末に対象校に送付、回収するまでが主な活動であった。 研究対象の小中学校は、全国学校総覧をもとに全国から無作為抽出し、H27年度末のH28年3月上旬に対象の小中学校に質問紙を郵送で配布した。 送付数は母集団の大きさから統計上の必要サンプル数を800と計算。回収率を30%前後と予測し、その3倍の2,400部と設定、送付した。その中で廃校等で返却されたものが10部あった。回収締め切り日を過ぎた時点での回収数は707通であった。締切日時点での回収率は約29.6%であった。締切日を過ぎた後も、少しずつ質問紙の返送があるため、5月一杯まで回収中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は対象の小中学校におけるてんかん等のけいれん発作の既往がある児のH27年度の在籍数、H27年度1年間の発作の状況や対応等について調査をする目的の研究であるため、調査用紙は当初から年度末の3月に配布を予定していた。母集団の大きさから統計学的に意味のあるサンプル数は600~800を予定しており、回収率30%で計算して、2400通を発送した。 予定通り3月上旬に質問紙を発送し、締切り日を過ぎた時点で、当初予定していた回収率(30%)に近い回収数を確保できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は回収した質問紙を統計処理するため、データ入力し、市販の統計解析ソフトを使って統計処理をする。データ入力には事務補助の人員を雇用しこれにあたる。 得られたデータは、回答者の年齢や、経験年数、看護師資格の有無、勤務する学校の校種、特別支援学校での勤務経験の有無などの回答者の属性による結果の違いを比較検討し、これらの属性により、薬剤の預かりや、坐薬の使用に関する抵抗感、発作への対応などに違いがあるのか、また、都市部と地方部では、医療機関からのサポートや望まれる学校現場へのサポート内容に違いがあるのか、などを検討する予定である。 調査結果は学校関係者や小児保健、小児医療の専門職者が所属する学会の学術集会で口頭発表し、学会誌に投稿予定である。
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