2015 Fiscal Year Annual Research Report
水泳プール入水に伴う動脈壁硬化と体温及び皮膚血流変化の関連性
Project/Area Number |
15H06786
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
斎藤 辰哉 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60758085)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 動脈壁硬化 / 水中環境 / 皮膚血流 / 体温 / 水泳プール |
Outline of Annual Research Achievements |
日本国内における水泳プールの水温は、水泳およびアクアフィットネスを行う目的でヒトの中立温度(約34~36℃)より低い約30~32℃に保たれているところが多い。水の熱伝導率は、空気の25倍も高いため、水泳プールへの入水は、ヒトの身体には急速な寒冷刺激となり、皮膚温低下および皮膚血管を収縮させる。そこで、入水に伴う動脈硬化度(動脈スティフネス)の上昇は、急速な寒冷刺激による体温、皮膚血流量変化の影響を受ける可能性が考えられるため、入水に伴う動脈スティフネスを部位別に測定し、体温と皮膚血流変化との関連性を検証した。健康な成人男性を対象とした。測定条件は、プールサイドにて測定を行う陸上条件と仰臥位浸水条件(水温:30℃)とした。各条件における測定姿勢は仰臥位姿勢とした。入水時の動脈スティフネスを測定する方法として、脈波検査装置を用いて評価した。測定項目は、上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)、心臓-頚動脈間脈波伝播速度、心臓-大腿動脈間脈波伝播速度、大腿動脈-足関節動脈間脈波伝播速度(faPWV)、心拍数、血圧、直腸温、皮膚温および皮膚血流量とした。その結果、仰臥位浸水条件のfaPWVおよびbaPWVは、陸上条件と比較して高値を示した。また、水温30℃、35℃、39℃の計3条件で入水を行い、部位別脈波伝播速度、心拍数、血圧、直腸温、皮膚温および皮膚血流量について検討を行っている。体温および皮膚血流量変化と部位別動脈スティフネスとの関連性について更なる考察を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究では、予定していた実験計画について概ね終了した。また、平成28年度の実験計画については、実験機器、対象者、験者の協力など、実験を行う上で問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
人工炭酸泉を用いた水泳プールは、水温を上げることなく、安全な入水を可能にするものと考える。従って、末梢血管拡張作用を有する人口炭酸泉への入水に伴う体温および皮膚血流変化が部位別動脈スティフネスに及ぼす影響について明らかにする。
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Research Products
(2 results)