2015 Fiscal Year Annual Research Report
非構造部材によって連続補剛されたH形鋼梁の横座屈性能に関する研究
Project/Area Number |
15H06810
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
吉野 裕貴 仙台高等専門学校, 建築デザイン学科, 助教 (70756428)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 非構造部材 / 繰り返し載荷 / 横座屈耐力 / H形鋼梁 / 横座屈モーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
巨大地震による大空間構造物の崩壊挙動について明らかにされつつあるが,これらは構造部材のみで構成された構造物を対象とした研究である。しかし,現行の耐震設計法では非構造部材の影響について考慮されていない。巨大地震に対して建物の損傷を軽減できる制震ブレース架構はダンパーの取り付けが容易であることやダンパーが適用される高層建物として鋼構造建物に多く用いられている。 本研究では,軸力と勾配曲げモーメントを受ける連続補剛されたH形鋼梁の横座屈性能を把握することを目的する。 昨年度は,エネルギー法による変分原理を用いて弾性横座屈荷重式の誘導し,有限要素法汎用プログラムを用いた弾性固有値解析を行い,誘導した弾性横座屈荷重式の妥当性を検証した。また,弾塑性大変形解析を行い,現行の設計指針の設計式に用いられている横座屈細長比への適用を試みた。 さらに,屋根折板による梁の横座屈に対する補剛効果を明らかにするために,屋根折板が取り付くH形鋼梁の横座屈載荷実験を行なった。その際,単調載荷に加えて繰返し載荷を受けるH形鋼梁を対象とし,H形鋼梁の横座屈後の履歴吸収エネルギーの低下率や塑性変形性能を把握する。また,実構造物における屋根折板とH形鋼梁の接合部を詳細に再現し,最大耐力以降に屋根折板に作用する応力分布や塑性化の進展状況を明らかにするとともに,屋根折板の水平補剛力及び回転補剛モーメントを計測し,補剛材の要求性能を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書では,H形鋼梁に屋根折板を連続補剛材できるかについて検討するために,逆対称曲げモーメントを受ける連続補剛H形鋼梁の横座屈性能を把握することを目的としていた。 申請時の研究計画に対して,非構造部材である屋根折板を水平・回転バネ要素に置き換えた連続補剛H形鋼梁についてダンパーによる軸直と弾性横座屈荷重式を,エネルギー法による変分原理を用いて誘導した。また,解析モデルを構成し,有限要素法による,弾性固有値解析により誘導した弾性横座屈荷重式の妥当性を示した。さらに,弾塑性大変形解析を行い,本研究で誘導した弾性横座屈荷重式を現行の設計指針の設計式に適用することで、梁の横座屈に対する設計耐力を安全側に評価できることを示した。 次に,屋根折板による梁の横座屈に対する補剛効果を明らかにするために,屋根折板が取り付くH形鋼梁の横座屈載荷実験を行なった。この研究成果について2016年度日本建築学会大会(福岡)にて研究発表を行う予定である。 申請時の研究計画にあったダンパーが取り付くH形鋼梁の横座屈載荷実験については,3月より実験準備を行っており,4月中に実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の横座屈載荷実験により、H形鋼梁の横座屈耐力に対する屋根折板による連続補剛効果を明らかにした。本年度(2016年度)は,ダンパーが取り付く梁を対象とし,曲げモーメントに加え軸力を受けるH形鋼梁の横座屈載荷実験を行い,上記で得られた昨年度の研究成果を含めた実験結果と弾塑性大変形解析結果を比較し,設計指針の横座屈曲線(設計式)への適用を試みる。 さらに,梁の材端支持条件は柱や周辺部材の形状によって異なるため,H形鋼梁と柱の接合箇所での施工性及び材端支持条件を考慮した部分架構を製作し,載荷実験を行い,梁の塑性変形性能に及ぼす柱の拘束効果を解明する。
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Research Products
(3 results)