2015 Fiscal Year Annual Research Report
Development of algorithm for quantitative data on animal behavior and analysis on long term behavior
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15H06830
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
阿部 真人 国立情報学研究所, ビッグデータ数理国際研究センター, 特任研究員 (60758027)
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Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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Keywords | 社会性昆虫 / 群知能 / 集団行動 / 大規模データ / 個体間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、社会性昆虫アリである沖縄産トゲオオハリアリ(Diacamma sp.)を対象に、各個体の胸部にバーコードタグを接着剤で貼り付け、画像解析するソフトウェアを用いることにより、コロニー(巣)内の全個体の位置・向き情報を1秒1コマの高い時間解像度で長期間(数日間-)取得する実験システムを室内において構築し、データ解析することを目標とする。これまで、動物の集団行動の研究において、このような時間的・空間的に解像度の高い大規模データを取得し、解析を行った研究は Mersch et al. (2013, Science) だけである。また、Mersch et al. (2013) では、観察データを取得し解析を行ったのみであり、操作実験を行っていなかった。一方、本研究課題では、コロニー内における仕事量としての卵・幼虫・蛹の量を操作することや、餌探索エリアにおける餌の導入、実験環境の明暗条件の変化など、操作実験も行う予定であるため、社会性昆虫のシステムの理解にとって意義がある。今後は、個体間相互作用として特徴的な順位行動に着目し、データからどの個体間でいつ起きたかを抽出することを試みる。さらに位置と向きの大規模データから、個体間の接触ネットワークの解析や、非線形時系列解析を用いた各個体の活動時系列データから個体間相互作用の因果性検出、各個体のactivity, inactivityの時間のベキ分布を解析する。それによって、社会性昆虫の統合されたシステムを、大規模データを解析することで理解する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室内でのトラッキングシステムの構築が予定通り順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、バーコードタグを読み取るライブラリ、ソフトウェアを用いて、個体の位置情報を個体識別をした上で取得する方法を模索する。
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