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2015 Fiscal Year Annual Research Report

嗅覚刺激に応答する視床下部の機能地図構築

Research Project

Project/Area Number 15H06860
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

梶山 十和子  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 基礎科学特別研究員 (00757130)

Project Period (FY) 2015-08-28 – 2017-03-31
Keywords嗅覚 / 視床下部 / フェロモン / カルシウムイメージング / 魚類 / ゼブラフィッシュ
Outline of Annual Research Achievements

①嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの可視化・同定
嗅覚刺激によって活性化される視床下部ニューロンをカルシウムイメージング法で可視化するために、本年度は視床下部でカルシウムインジケーターであるGCaMP7を発現するトランスジェニックフィッシュの作出を行った。その結果、異なるパターンで視床下部にGCaMP7を発現する系統を5種類得ることができた。さらに、嗅上皮と脳を、神経接続を保ったまま取り出したサンプルでの視床下部のカルシウムイメージングを試行した。並行して、フェロモン刺激に応答する視床下部ニューロンを同定するために、神経活動のマーカーであるc-fos遺伝子の発現を調べ、フェロモン刺激によりc-fosの発現が上昇する複数の神経核を同定した。今後、この神経核のマーカー遺伝子を同定することで、これらの神経核の機能解析が大きく進展することが期待される。

②嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの機能の解明
嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンがどのような機能を持つのかを調べるために、内分泌系・自律神経系の変動を測定するパラメーターの確立に取り組んだ。その結果、フェロモン刺激によるオスの体内の状態変化を調べるために、精液を定量する方法を確立した。しかし、ゼブラフィッシュの精液量は少量であり同一個体でも日によって変動が大きいため、フェロモン刺激による変化を検知することはできなかった。今後異なる方法で体内の状態をモニターする必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの可視化・同定においては、当初の計画通り視床下部ニューロンのカルシウムイメージング法による可視化に使用可能なトランスジェニックフィッシュを作出することができた。さらに、フェロモン刺激後の脳内でのc-fosの発現解析を網羅的に行い、フェロモン刺激により活性化される視床下部ニューロンの同定も行うことができた。そのためこの目的については、当初の予定以上に進展しているとした。
嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの機能解析においては、精液量を測定する方法を確立できたものの、ゼブラフィッシュの精液量は、嗅覚刺激を行わなくても日によって大きく変動してしまうことが明らかになったため、今後この方法を使用することは不可能であると考えられる。現在は代替案を複数検討中である。そのためこの目的については、研究は当初の予定よりやや遅れているとした。
以上を総合し、全体としては、「おおむね順調に進展している」とした。

Strategy for Future Research Activity

①嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの可視化・同定
本年度に作出したトランスジェニックフィッシュを活用し、各種の嗅覚刺激に対する視床下部ニューロンの応答をカルシウムイメージング法により可視化していく。
同時に、匂い刺激によって活性化されたニューロンで発現するマーカー遺伝子を、c-fosとの二重染色により明らかにする。
②嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの機能の解明
今後は精液量ではなく、血中のLH量の測定、脳内のGnRHニューロンの活動測定など、他の方法により体内の状態をモニターすることを試みる。また、体内のホルモン濃度を非侵襲的にモニターできるトランスジェニックフィッシュの作出も検討する。さらに、①で同定したマーカー遺伝子のプロモーターを用いたgal4トランスジェニックフィッシュを作出し、各種のUASレポーターフィッシュと掛け合わせることで、嗅覚刺激により活性化される視床下部ニューロンの機能を明らかにしていく。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Teleocortin: A Novel Member of the CRH Family in Teleost Fish.2015

    • Author(s)
      Hosono K, Kikuchi Y, Miyanishi H, Hiraki-Kajiyama T, Takeuchi A, Nakasone K, Maehiro S, Okubo K.
    • Journal Title

      Endocrinology

      Volume: 156 Pages: 2949-2957

    • DOI

      10.1210/en.2015-1042.

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] Female-specific expression of Neuropeptide B and its role in reproductive behavior.2016

    • Author(s)
      Towako Hiraki-Kajiyama
    • Organizer
      8th Congress of the Asia and Oceania Society for Comparative Endocrinology
    • Place of Presentation
      Seoul, Korea
    • Year and Date
      2016-06-20 – 2016-06-24
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 性フェロモン17,20beta-PS のゼブラフィッシュにおける役割と神経回路基盤2015

    • Author(s)
      梶山十和子
    • Organizer
      第3回ケモビ研究会
    • Place of Presentation
      KKK箱根宮ノ下(神奈川県・箱根町)
    • Year and Date
      2015-11-13 – 2015-11-15

URL: 

Published: 2017-01-06  

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