2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pore pressure dependences on frictional behavior of rocks and implications for slow earthquakes
| Project/Area Number |
15H06890
|
|---|
| Research Institution | Chiba University |
|---|
Principal Investigator |
澤井 みち代 千葉大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (20760995)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
| Keywords | 間隙水圧 / 地震発生 / 摩擦挙動 / 藍閃石片岩 / 花崗岩 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
沈み込み帯で発生する地震には「水」が深く関与していると指摘されていることから、間隙水圧を系統的に変化させた摩擦実験をおこない、地震に対する「水圧上昇」の影響を定量的に評価する目的で以下の研究を実施した。
地下20 kmともなると、岩石の圧力で間隙はつぶされ個々に独立して存在することが考えられる。一方、高Vp/Vsから豊富に水が分布していることも示されている。流体が断層強度に影響を及ぼすのであれば、十分に広域の断層面上に繋がった空隙が存在し、その中の水圧は岩石の押しつぶす圧力に抵抗できるに十分な高い圧力でなければならない。そこで、本研究では今までに例がない「封圧≒間隙水圧」の低有効応力環境を含む条件下でおこない、水圧上昇の影響を検証した。
昨年度は、実験に東北沖沈み込み帯のような冷たく古いプレート沈み込み帯震源域に存在すると考えられる藍閃石片岩を用いたが、今年度は比較物質として花崗岩を使用し、水圧上昇の効果とそれに対する物質依存性の有無について検討した。実験には、産業技術総合研究所設置のガス圧式高温高圧変形装置を用いた。その結果、藍閃石片岩では、間隙水圧が上昇し有効応力が下がると断層すべりは不安定となる傾向があったのに対し、花崗岩では逆に間隙水圧が上昇し有効応力が低下すると断層すべりは安定な性質を示すことが明らかになった。つまり断層すべりに対する間隙水圧の影響は、温度依存性と同様に物質によって異なる可能性がでてきた。以上の結果は、地震発生に対して間隙水圧の効果が優位に働くか否かは、地震発生域の地質による可能性があることを示している。つまりこれは今後、地震発生域の地質に基づいた実験やシミュレーションが必要となることを示唆するものであると考える。
|
| Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
|
