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2015 Fiscal Year Annual Research Report

レセプトデータを用いた脳卒中・大腿骨頸部骨折における地域医療連携体制の評価

Research Project

Project/Area Number 15H06921
Research InstitutionFukuoka Institute of Health and Environmental Sciences

Principal Investigator

西 巧  福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (20760739)

Project Period (FY) 2015-08-28 – 2017-03-31
Keywords地域医療連携 / レセプトデータ / 脳卒中 / 大腿骨頸部骨折
Outline of Annual Research Achievements

平成26年に行われた第6次医療法改正では、医療計画の策定プロセスが大きく見直され、病床機能報告制度の導入による病床機能の明確化、機能分化・連携構築・ネットワーク化促進が図られることとなった。地域医療連携体制の評価は政策的にも特に重要な課題であり、レセプトデータ等の保健医療情報を保健医療行政に活用することの重要性も増している。しかしながら、先行研究では退院後の維持期・慢性期にわたる長期評価は行われていない。
そこで、本研究では、地域医療連携体制が医療資源の効率的利用に貢献しているかどうかを評価するために、福岡県後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会福岡支部の医科・DPCレセプトデータを用いて、脳卒中・大腿骨頸部骨折における地域連携診療計画策定の有無がケアプロセス全体にわたる医療費・診療日数に与える影響を明らかにすることを目的とした。
研究計画時には九州大学大学院医学研究院・医療経営・管理学講座の馬場園明研究室に保管されている福岡県後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会福岡支部の特定健康診査・レセプト等データベースを共同利用する予定であったが、それぞれの保険者に対して共同研究契約とデータ利用に関する届出を行う運びとなった。平成27年度は、福岡県後期高齢者医療広域連合から承諾を得て、後期高齢者医療制度のレセプトデータベース構築と脳梗塞地域医療連携体制の評価のための解析を行い、回復期までの在院日数・医療費に与える影響を明らかにし、その成果について国内学会での発表を行った。なお、倫理面の配慮として、福岡県保健環境研究所疫学研究倫理審査委員会に諮り、承認を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画の通り、先行研究との結果の整合性を確認するために、脳梗塞についての急性期・回復期・全体の医療費及び診療日数を連携群、連携群、転棟群で比較した。その結果、連携群において急性期の診療日数は有意に短く、医療費が低いという先行研究と一致した結果が得られた。その一方で、転棟群では診療日数短縮効果は明らかでないが、医療費は有意に低い傾向にあった。また、転棟群では回復期、全体の診療日数は有意に短く、医療費は有意に低かったが、連携群では関連していなかった。
これは地域医療連携診療計画を策定している患者では急性期での在院日数が短縮され、医療費の抑制につながっているが、退院後全体の診療日数や医療費とは明確な関連がないという研究当初の予測とほぼ一致した結果であり、転院先に在院日数短縮のインセンティブが働かないことに起因していると考えられる。
加えて、平成27年度のデータベース構築・解析に際し、回復期以降の追跡を行うためには後期高齢者における誤嚥性肺炎等による再入院を考慮する必要があることが明らかになった。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は平成22年4月から平成28年3月診療分の福岡県後期高齢者医療広域連合、全国健康保険協会福岡支部のDPCレセプトデータから、非外傷性硬膜下血腫以外の非外傷性頭蓋内血腫、くも膜下出血(ICD10コード:I61、I63)を、平成24年4月から平成28年3月診療分の医科・DPCレセプトデータから大腿骨頸部骨折(S72.0)を主傷病として入院し、骨折非観血的手術(診療報酬点数表コード:K0441)、観血的整復固定術(K046-2)、骨折観血的手術(K0461)、関節脱臼非観血的整復術(K0611)、関節脱臼観血的整復術(K0631)、人工骨頭挿入術(K0811)、鋼線等による直達牽引(K083)が行われた退院患者のうち、隣接していない県外への入院例、死亡例と再発・再手術例を除外し、少なくとも退院後1年間観察できるものを抽出する。
脳出血、くも膜下出血による入院患者を対象とした解析では、転院・転棟先の病棟毎に層別し、急性期病院退院後の医療費及び診療日数を目的変数とし、性、年齢、病型(脳出血・くも膜下出血)、手術の有無、併存疾患の有無、転棟・地域医療連携診療計画策定の有無、転院先病棟の施設基準、廃用症候群の有無、早期リハビリテーションの有無、人工呼吸の有無及び救命救急入院・集中治療室利用の有無を独立変数とした統計解析を行う。
大腿骨頸部骨折による入院患者を対象とした解析では、転院・転棟先の病棟毎に層別し、術前・術後の医療費及び診療日数を目的変数とし、性、年齢、併存疾患・術後合併症の有無、転棟・地域医療連携診療計画策定の有無、早期リハビリテーションの有無及び手術の種類を独立変数とした統計解析を行。
これらの解析から明らかにされた地域医療連携診療計画策定の有無の医療費及び診療日数への影響についてとりまとめ、学会発表及び論文投稿を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 後期高齢者における脳梗塞医療連携計画策定が医療資源利用に与える影響の評価2016

    • Author(s)
      西 巧、馬場園明、前田俊樹、安井みどり
    • Organizer
      第26回日本疫学会
    • Place of Presentation
      米子コンベンションセンター(鳥取県)
    • Year and Date
      2016-01-22 – 2016-01-22

URL: 

Published: 2017-01-06  

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