2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15J00102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 和志 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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Keywords | PLA2 / EP3 / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホスホリパーゼA2(PLA2)はリン脂質のsn-2位の脂肪酸を切断する酵素であり、様々な脂質群を基質とすることでアラキドン酸をはじめとする様々な脂肪酸およびリゾリン脂質を遊離する。PLA2の基質特異性は比較的緩やかであり、多様な基質を受容できる結合ポケットを持つことが推測される。 一方、PLA2によって産生された脂質群は代謝を受け、その一部はGタンパク質共役型受容体(GPCR)に作用することで作用を発揮する。例えばプロスタグランジン(PG)は計8種類のGPCRと結合することにより効果を発揮するが、EP受容体とDP受容体はケトン基(O)と水酸基(OH)の違いを見分けることが出来るほどその基質特異性は厳密である。 本研究では(1)sPLA2-ⅡD,ⅡF,Ⅴ,iPLA2α,ε2および(2)PGE受容体EP3をモデルとし、合成酵素および受容体の両面から脂質シグナル分子の認識機構を明らかにすることを目的とする。 (1)PLA2については分子量が約14kDaと小さく、活性測定が容易なsPLA2-Ⅴの発現・精製を試みた。大腸菌・コムギ無細胞系・哺乳類細胞での発現検討を行ったが、いずれの発現系においても十分な発現量が得られず、検出限界以下の酵素活性しか検出できなかった。 (2)EP3についてはまず哺乳類細胞の発現系を用い、下流シグナルを指標にその機能に必要十分な領域を決定した。次に、酵母による迅速なスクリーニング系を用い、N末端およびC末端の切断位置や細胞内第三ループに融合する安定化タンパク質の挿入位置を最適化することでEP3受容体の安定化を行った。そこで発現系を昆虫細胞に移し、精製条件の検討を行った結果、収量は少ないもののEP3受容体を単一に精製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)PLA2は予想以上に不安定で、これまでに検討したいずれの発現宿主(大腸菌・コムギ無細胞系・哺乳類細胞)においても十分な発現量を得ることができなかったため。 (2)EP3受容体は、当初の予想通りかなり不安定で、精製は可能なものの更なる安定化が必要であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)PLA2については、まだ検討できていない酵母や昆虫細胞など更に発現宿主を変えることで発現量が上昇するか検討する。 (2)EP3については現状ではまだ結晶化実験を行うに十分な収量が得られていないため、更に点変異を導入することで、受容体の更なる安定化、発現量・収量の向上を目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Towards structure determination of the human prostanoid receptor bound to the antibody.2015
Author(s)
Yosuke Toyoda, Kazushi Morimoto, Ryoji Suno, Yusuke Sekiguchi, Keitaro Yamashita, Kunio Hirata, Satoshi Yasuda, Hidetsugu Asada, Takanori Nakane, Yuki Shiimura, Tomoya Nakagita, Tomoaki Inazumi, Kyoshiro Tsuge, Yuta Kajiwara, Tomoko Shimizu, Yuji Urushibata, Suguru Yoshida, Tomoko Kuribara, Takamitsu Hosoya et. al.
Organizer
GPCR Workshop 2015
Place of Presentation
Hawaii(USA)
Year and Date
2015-12-01 – 2015-12-05
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